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日経記事;『ディスラプションその先にハンドルはデータが握る 車・IT融合の波 合従連衡の顔ぶれ一変』考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                                  2018年1月3日

皆様、
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

今年初めてのブログ・コラムを書きます。


1月3日付の日経新聞に、『ディスラプションその先にハンドルはデータが握る 車・IT融合の波 合従連衡の顔ぶれ一変』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


本記事の冒頭部分は、以下の通りです。


『自動車産業のプレーヤーが大きく変わりつつある。自動運転やシェアリングといった新しい波に乗ってネット企業などが技術開発を進め、既存の自動車メーカーに対してディスラプション(創造的破壊)を仕掛けつつある。

グーグル系のウェイモは2009年から自動運転の技術開発を進めている。

トヨタも転換

19年はトヨタ自動車が販売事業を根本から見直す転換点となる。毎月一定額を支払えば複数の車を乗り換えられるサブスクリプション(定額制)サービスを始め、販売店を拠点にカーシェア事業にも乗り出す。。。』


今まで何度か本ブログ・コラムで書いていますように、2019年から2020年は、トヨタにとって大きな意味をもつ年になります。


これは、トヨタが当初次世代環境対応車の切り札として設定していた燃料電池車が、日本以外では受け入れられずに、米国、欧州、中国の大市場では、電気自動車(EV)が次世代環境対応車として位置付けられたことが大きく影響しています。


EVの開発・実用化は、既存の自動車メーカーの強みの源泉となるガソリンエンジン車に固有の技術やノウハウを必要としません。


EVの開発・実用化は、しょうしょう極端なことを言いますと、電池、タイヤ、車体などの主要部品を調達できれば、既存の自動車メーカーでなくても、実行できます。


この視点からみますと、ガソリンエンジン車の開発・実用化ノウハウを生かせる、トヨタや日本政府が仕掛けた燃料電池車の開発・実用化は、現時点では、思うように進まない状況になっています。


ガソリンエンジン車の普及には、水素ステーションのような高額投資を要する社会インフラの設置が必要になることも、現時点では足かせになっています。


結局、トヨタをはじめとする国内自動車メーカーは、EVの開発・実用化を集中して行い世界市場で勝負することになります。


加えて、EVの開発・実用化の方向は、自動運転機能を付加することが必要不可欠になっています。


自動運転機能付EVの開発・実用化は、IoTという言葉に代表されるように、自動車自体をインターネットに常時つなげる能力を保持する必要があります。一般的にこの機能は、コネクテッドと言われます。


自動運転機能は、自動車に設置されたセンサーやレーダーなどのデバイスから供給される大量のデータを瞬時に解析して判断できるようにするための高度なアルゴリズムや人工知能(AI)の活用が、必要不可欠になります。


このコネクテッドやアルゴリズム・AIの開発・実用化は、既存の自動車メーカーにとって、もっていない技術やノウハウです。


当該技術やノウハウは、米大手IT企業であるグーグル、アップル、アマゾンなどがもっています。


特にグーグルは、世界で初めて自動運転車の開発・実用化を行っており、今までに2018年10月時点で走行距離が地球400周分にあたる1000万マイルを超えているとされています。


自動運転車の頭脳になるAIは、賢くなるために大量のデータを必要とします。グーグルの検索エンジンや翻訳エンジンの能力が年々向上しているのは、毎日世界中の人が多く活用することで、膨大なデータの蓄積・活用が可能になっていることによります。


トヨタなどの国内自動車メーカーは、自動運転車能力を左右するAIの開発・実用化で大きく遅れています。


もう一つ国内自動車メーカーにとって厄介な課題は、日米欧の自動車市場で自動車が所有から共有となるビジネスモデルの大きな変革の可能性があることです。


トヨタは、このような大きな事業環境の変化を察知しており、ここ2~3年以内に、積極的にオープンイノベーションのやり方を取り入れて大胆な施策を実行しています。


たとえば、2018年末に発表されたトヨタとソフトバンクの提携は、自動車の共有化を意識したトヨタの強い思惑が反映されています。


過去、米大手企業は、既存事業基盤を急速に破壊・再構築してきましたし、今も実行しています。既存自動車業界も、その対象になっています。


グーグルは、決して自ら自動車メーカーになる意図はなく、自動車自体を走るインターネット出口端末機器として認識しています。


このことは、グーグルは自動車本体から収益を上げずに、自動車に搭載した検索エンジンなどからの広告宣伝収入の拡大を図るビジネスモデルを実行する可能性が高くなります。


トヨタは、十分にそのリスクを認識しています。トヨタがグーグルと対抗するには、オープンイノベーションのやり方を徹底的に行って、自ら自動車事業基盤を破壊・再構築するように迅速に対応することが必要になります。


トヨタとグーグルの戦いは、今後の国内自動車産業に大きな影響を与えますので、
今後の両社の動きに、注目していきます。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『自動運転 覇を競う(1) 「水と油」が組む時代』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                                         2018年11月14日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


11月14日付の日経新聞に、『自動運転 覇を競う(1) 「水と油」が組む時代』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


記事の冒頭部分は、以下の通りです。


『10月4日、自動運転など移動サービスにおける提携を発表したトヨタ自動車とソフトバンクグループ(SBG)。事業も企業文化も違う両社の提携交渉は約半年間という自動車業界では異例のスピードでまとまった。。。』


トヨタ自動車とソフトバンクの提携に関する発表は、少々の意外性をもって受け取られました。


トヨタは、世界最大手のハードウェアである自動車メーカーです。ソフトバンクは、国内通信の大手事業者であり、最近は、世界屈指の投資会社としての顔を持ち始めています。


今までは、トヨタとソフトバンクは、言わばハードウェアとソフトウエアの両極端で、お互いに独立してビジネスを行っていました。


今後の自動車は、技術的な観点からは、自動運転機能付EVの開発・実用化が世界市場での大きな動きになっています。


また、米ウーバーなどのカーシェアリングビジネスの勃興は、自動車を所有するから共有する傾向を強める可能性があります。


自動運転機能付EVの開発・実用化では、現時点で世界のトップを走っているのは、米大手ITベンダーのグーグルです。


グーグルは、決して自動運転機能付EVの専業メーカーになる経営意思をもっていません。


グーグルが自動運転機能付EVのビジネス分野でおさえようとしているのは、スマートフォンやパソコンと同じように、搭載されているOS、アプリケーションソフト、Webサイトのブラウザ、検索エンジンなどのプラットフォームです。


グーグルは、スマートフォンやパソコンなどの電子端末機器で確立したプラットフォームと同じものを、自動運転機能付EVで再現しようとしています。


グーグルは、自動運転機能付EVを動く電子端末機器としてとらえています。このEVに乗った人は、ほぼ完全な自動運転機能が付いていると運転を行う必要がありません。


言わば、車に乗った状態が、動く自宅であり、動くオフィスになります。この環境下で、グーグルは、より多くの人に、より一層多く自社のプラットフォームを使いこなしてもらうことで、インターネットからの宣伝広告などの事業収益の拡大を実現できます。


グーグルの動きは、当然のごとく、アップル、アマゾン、フェースブック、マイクロソフトなどの他の米大手ITベンダーも、圧倒的な技術力と資本力で、自動運転機能付EVの分野でも、自社に有利なプラットフォームを確立すべく動きます。


トヨタの近未来の競争相手は、既存自動車メーカーだけでなく、上記する大手ITベンダーになります。


トヨタは、現在の自社の技術力や資本力では、単独でこれらの大手ITベンダーとの競争には打ち勝てません。


トヨタは、ここ数年間、米シリコンバレーに、インターネット・IT・AI・IoT対応などの大型技術拠点をもったり、国内外のITやAIベンチャーに資本投資を行っています。


トヨタは、かっての垂直統合方式の自前主義の技術に頼ったメーカーではなく、他社との連携・協業(アライアンス)を積極的に行うオープンイノベーションのやり方を取り入れています。


このオープンイノベーションのやり方は、トヨタだけでなく、すべての自動運転機能付EVの事業化を行う企業に求められています。


世界市場での自動運転機能付EVの事業で勝ち組になるには、世界で尖がった技術、ノウハウ、資本力などをもつ企業との、オープンイノベーションを巧みに行う必要があります。


その視点からみますと、今回のトヨタとソフトバンクの連携・協業(アライアンス)は、特段のことではなく、上記の流動化する自動車事業基盤の中で、お互いに「Win/Win」の関係が構築できる状況になる可能性があります。


インターネット、IT、AI、IoTなどのソフトウエアやプラットフォームは、既存事業基盤を急速に破壊・再構築してきましたし、今後もその速度を加速化させながら動いていきます。


このことは、国内のソフトウエア・IT・AI・IoTベンチャー・中小企業にも、大きな新規事業機会をもたらします。


一つの事例が、AIベンチャーのpfn(プリファード・ネットワークス)です。pfnは、トヨタやファナックなどの大手企業から大型の資本を受け入れても、開発・実用化の下請けにならず、大手企業とイコールパートナーシップでオープンイノベーションを実行しています。


自動運転機能付EVの事業化だけでなく、今後医療などのあらゆる分野で、ますます、インターネット、IT、AI、IoTなどのソフトウエアやプラットフォームのニーズが高まっていきます。


上記する国内のソフトウエア・IT・AI・IoTベンチャー・中小企業は、自社の技術力を高めて、差別化・差異化を可能にするものをもって、国内だけでなく、海外企業との連携・協業(アライアンス)を組むことが、事業収益拡大につながります。


このときに、重要なことは、これらのベンチャーや中小企業が、如何に巧みに国内外の企業と、連携・協業(アライアンス)を組めるかにあります。


私は、支援先企業の新規事業立上の一環として、ときどき、国内外の企業との連携・協業(アライアンス)の実施支援を行っています。


他企業との連携・協業(アライアンス)の実行は、経験とノウハウが必要になりますので、実行するときは、前もって十分な事前準備が必要になります。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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日経記事;『自動車「ソフト化」への備えを急ごう』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                               2018年11月7日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


11月7日付の日経新聞に、『自動車「ソフト化」への備えを急ごう』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『自動車の開発でソフトウエアの役割が増している。環境や安全への要求が高まり、高度なソフトが必要になっているためだ。すでに高級車は旅客機を上回る量のソフトを搭載しているといわれ、さらに増えるのは確実だ。自動車メーカーや関連企業は開発体制の整備など備えを急ぐ必要がある。。。』


インターネットやITの急速普及が進んだ結果、ハードウェア商品もソフトウエアを組み込んでトータルな機能や性能を出さないと、商品力強化にならないことを、過去20年くらいの国内製造業の歴史が示しています。


国内製造業で初めて、米大手ITベンダーの影響を受けたのが、AV家電商品分野です。とくに、マイクロソフトがWindows95のOSを開発・実用化して、当該OSを搭載したパソコンの急激な普及が、当時の国内家電メーカーを直撃しました。


しょうしょう極端な言い方をしますと、顧客はパソコンに搭載されたアプリケーションソフトを使うことで、既存AV家電商品の機能・性能を1/10~1/100くらいの低価格で利用できるようになりました。


当然のごとく、顧客は低価格で使い勝手の良いパソコンや搭載されたアプリケーションソフトを使うようになり、国内AV家電商品の売上は激減しました。


しかも、当時の国内家電メーカーには、ソフトウエアエンジニアの数が少なく、このようなインターネットやソフトウェアの重要性などについても、あまり認識されていませんでした。


ハードウェアとしてのAV家電商品の魅力を、得意なモノづくりに頼っている企業もありました。


ソフトウエアの重要性に気が付いた企業の中でも、どちらかというと、多くの国内家電メーカーは、ソフトウエアの内製化に注力せず、アプリケーションソフトを受託で開発・実用化する外部のITベンダーを活用する傾向がありました。


私は、その当時仕事がら、アップル、デル、マイクロソフト、アドビシステムズ、SGI、HP、シスコシステムズなどのIT関連企業との連携・協業(アライアンス)やM&A関連の交渉を行うため、ひんぱんにこれらの企業を訪問して打合せを行っていました。


どの企業も、例外なく、ソフトウエア開発先行型の開発・実用化・事業化の体制を取っており、自社の社内環境の大きな違いを感じていました。


ITベンダーのソフトウエアの開発・実用化の速度が速く、当時、アナログ技術に頼った商品の開発・実用化では、まったく太刀打ちできませんでした。


現在、自動車産業は、電動化と自動運転化という大きな変化の波をかぶりつつあります。


電動化が、欧州や中国で進められている電気自動車(EV)の開発・実用化に結び付くと、現在のガソリンエンジン車の需要の多くが、EVにシフトします。


EVに搭載する電池性能が年々向上していますので、そう遠くない将来、1回の充電で走行するEVの距離が長くなり、ガソリンエンジン車並みになる可能性があります。


そのとき、自動車は、しょうしょう極端に言いますと、ガソリンエンジン車の開発・実用化能力やノウハウが無い企業でも、EVを商品化できます。


また、自動車の自動運転車の開発・実用化は、年々加速していますので、人工知能(AI)・IoT対応を徹底的に行うことで、より安全なレベル3もしくはレベル4の自動運転車が商品化されるようになります。


つまり、自動運転機能付のEVは、米グーグルが開発・実用化を進めている、動く電子端末機器的なものになります。


この動く電子端末機器の付加価値は、搭載されているOSやアプリケーションソフト、インターネットでつながったWebサイトやSNSなどとのつながり方で決まることになります。


現在、多くの国内自動車メーカーが自動車の付加価値を算出している、強みの出し方がまったく通用しない状況になります。


これは、かって国内AV家電商品のメーカーが、直面したものと同じです。


トヨタ自動車は、このリスクを理解していると考えています。このため、トヨタは、巨額投資を行って米国のシリコンバレーに大型のIT研究拠点を行って設けたり、海外AIベンチャーへの出資やM&A(買収)を行っています。


トヨタは、国内でもpfnなどのようなAI・ソフトウエアベンチャーに巨額出資を行って、連携・協業(アライアンス)を積極的に行っています。


私は、このようなトヨタの動きが、商品力のある自動運転機能付EVの開発・実用化に結び付くことを、大いに期待します。


トヨタがこのことを成功させるためには、自社およびグループ内のソフトウエア開発力を強化しつつ、不足する部分を他社との連携・協業(アライアンス)、オープンイノベーションのやり方で、巧みに保管・強化するやり方が必要であり、重要になります。


国内メーカーが、国内外の市場で、競争力を維持強化するためには、多くの場面でソフトウエアを使いこなすことが必要になります。


このときに、上記する他社との連携・協業(アライアンス)の実行がポイントになります。


多くの場合、国内メーカーは、ITベンダーやITベンチャーとの間で、連携・協業(アライアンス)を組むことになります。


このときに、可能な限り、メーカーは一定規模のソフトウエア開発力をもっていることが望ましいです。


私の経験では、すべてのソフトウエアの開発・実用化を外部のITベンダーに頼った形では、当該メーカー商品に真の競争力をもてないケースがありました。


理想は、自社に競争力の源泉となるソフトウエアの開発・実用化を行える上で、より一層の競争力や多機能などを実現するために、他社との連携・協業(アライアンス)を組むことです。


今後、多くのメーカーは、ソフトウエア開発力をもつ必要があります。このため、自社の技術者の再教育やソフトウエアエンジニアの獲得、独立したフリーランスのソフトウエアエンジニアやITベンダー・ITベンチャーとの連携・協業(アライアンス)などを、巧みに行っていく知恵が求められます。


また、ソフトウエアエンジニアのモチベーションを高めるやり方の一つとして、高い専門的な知識や知見・ノウハウをを評価して、高度専門職として、年齢や社歴に関係なく、一定程度の高い賃金を支払うやり方が有効になります。


この他にも、ソフトウエアエンジニアのモチベーションを高めるために、最新技術を取り入れて、エンジニアの能力を向上させながら、自社の事業基盤を強化していくポジティブサイクルを実現するやり方も有効になります。


私の支援先企業の中には、このやり方を取り入れて、自社内にコア技術をもつソフトウエアエンジニアの確保しているところがあります。


多くの国内企業は、中小といえども、ソフトウエア開発力の重要性と必要性を正しく理解して、自社の事業環境にマッチした形で、当該技術の維持強化を実現することが重要です。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



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日経記事;『無人タクシー、ルール整備 高度な自動運転「レベル4」 経産省と国交省月内着手』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                             2018年10月17日

皆様、
こんにちは。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


10月17日付の日経新聞に、『無人タクシー、ルール整備 高度な自動運転「レベル4」 経産省と国交省月内着手』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


記事の冒頭部分は、以下の通りです。


『経済産業省と国土交通省は月内にも、無人タクシーなど運転席に人が座らない高度な自動運転の実用化に向けたルール整備に着手する。完全に人の手を離れたタクシーが安全に市街地を走行できるように、当面は走れる地域や天候を限定することも視野に入れる。民間では様々な企業が自動運転の実用化へ動きを速めていることを受け、今年度内にも方向性を示し、自動運転に関する政府の整備大綱に反映させる。。。』


この記事が事実だとしますと、以前から経済産業省や国土交通省が行うと公表していましたことを、実現化する動きをかけ始めることを意味しています。


政府は、今までに東京オリンピックが開催されます2020年をめどに、レベル4の自動運転の実用化を目指すとしてきました。


レベル4の定義は、一定レベルの条件下で、たとえば、自動運転のシステムが高速道路、あるいは過疎地域など特定の場所に限り交通状況を認知して、運転に関わる全ての操作を行う無人の自動運転となります。
自動運転システムが緊急時の対応も行います。


現時点では、どの自動車メーカーも、レベル4の自動運転の実用化は、行っていません。


私は、この一定条件下でのレベル4の自動運転技術の開発・実用化には、しょうしょう疑問をもっています。


2020年までに残された時間が短いことによります。本日の記事は、ようやく過疎地などの特手地域を対象に、無人運転車の走行を可能にするための、規制緩和や規制変更の内容を検討することについて書いています。


米国では、2017年9月に連邦法「車両の進化における生命の安全確保と将来的な導入および調査に関する法律(SELF DRIVE Act.)」が下院を通過しました。


また、同時期に、米国のNHTSA(国家道路交通安全局)が12項目の推奨ルールを規定した製造者向けのガイドラインの改訂版「自動運転システム2.0:A Vision for Safety」を公表しました。


つまり、米国のグーグルやGMなどの自動運転車の開発・実用化を行っている企業は、政府から明確な法律やガイドラインが出されているので、より一層実用的な、レベル4の自動運転車の開発・実用化にまい進できる状況になっています。


また、欧州自動車メーカーのドイツでは、2017年5月、レベル3を実用化する道路交通法改正案が議会で可決されました。欧州連合(EU)の欧州委員会は2018年5月、完全自動運転社会を2030年代に実現するための工程表(ロードマップ)を発表しました。


レベル3の自動運転は、自動運転のシステムが高速道路など特定の場所に限り交通状況を認知して、運転に関わる全ての操作を行います。搭乗しているドライバーが、緊急時やシステムが作動困難になった場合は対応を行います。


ドイツのAudi A8が、現時点では世界で唯一のレベル3の自動運転車を実用化しています。


今後、米欧の企業が、レベル3、レベル4の自動運転車の開発・実用化してくることは、確実です。


自動運転車の開発・実用化は、人工知能(AI)搭乗IoT対応が前提になります。言わば、走るコンピュータとなります。


この走るコンピュータは、多くの実証データを獲得して、人工知能(AI)を最大限、様々な状況に対する経験をもってもらって、無人で走るうえでのノウハウ蓄積を行う必要があります。


もちろん、レベル4の自動運転車の開発・実用化には、人工知能(AI)に加えて、IoT対応でのさまざまな技術的課題があります。


しかし、一番重要な技術的課題は、より安全で実用的な人工知能(AI)をもてるかどうかになります。


この点からみますと、米大手ITベンダーのグーグルは、米国の公道で長期間自動運転車の試験走行を行って、非常に多くのデータ蓄積を行っています。


GMも他の自動車メーカーに比べて、早期に自動運転車の開発・実用化を始めており、一定規模のデータ蓄積を行っています。


日本のトヨタ自動車は、自動運転車の開発・実用化に関しては当初懐疑的な姿勢をもっていたことが響いており、しょうしょう出遅れていると考えています。


この状況を打破するには、今後、より一層自動車メーカーは、オープンイノベーションのやり方を強化して、他社との連携・協業(アライアンス)を積極的に行うやり方が重要であり、必要になります。


場合によっては、国内自動車メーカーはグーグルと連携・協業(アライアンス)を組むことが必要になると考えます。


残された時間は短いです。国内自動車メーカーが、レベル4の自動運転車の開発・実用化に成功するためには、解決すべき課題を明確化して、それらの課題解決のためのロードマップ策定と、他社との連携・協業(アライアンス)を高効率に行って、実行していく度量が求められます。


国内外には、人工知能(AI)やIoT対応に関して、さまざまな技術やノウハウをもったベンチャーや中小企業が存在しています。


国内自動車メーカーが、これらの国内外のベンチャーや中小企業がと、イコールパートナーシップで、連携・協業(アライアンス)を組むことが大きなポイントになります。


この視点から、国内自動車メーカーのレベル4の自動運転車の開発・実用化を行うやり方に、注目していきます。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



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日経記事;『トヨタ・ソフトバンク、移動データ活用で提携 新会社で新サービス創出』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                                     2018年10月5日

皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


10月5日の日経新聞に、 『トヨタ・ソフトバンク、移動データ活用で提携 新会社で新サービス創出』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


記事の冒頭部分の抜粋は、以下の通りです。


『トヨタ自動車とソフトバンクグループは4日、自動運転など次世代車の事業展開で提携すると発表した。車の開発や安全技術で世界首位を競うトヨタと、各国でシェア事業者に出資するソフトバンクが手を組み、次世代分野で主導権を狙う。人工知能(AI)など技術進展を背景に、あらゆる産業でデータが企業の価値を高める時代。米グーグルなど異業種が存在感を増す自動車産業でも、データを巡る覇権争いが本格化する。。。』


また、10月4日には、『ホンダ、GMと自動運転提携3000億円拠出、技術開発 IT大手含めデータ争奪』の記事も掲載されています。


トヨタとホンダは、9月30日付のブログ・コラムで述べていますように、自動運転車の開発・実用化を行うために必要な人工知能(AI)に対するデータを得体のです。


ソフトバンクは、世界のライドシェアを行っているウーバー、グラブ、中国の滴滴出行、インドのオラの筆頭株主です。


つまり、ソフトバンクは株式投資でライドシェアのプラットフォームをおさえているプラットフォーマーになっています。


トヨタは、ライドシェアのデータ所有者であるソフトバンクとの連携・協業(アライアンス)を提案して、ソフトバンクが現時点では受け入れた形になっています。


ホンダがGMとの連携・協業(アライアンス)を行うのも、自動車メーカーの中で、いち早く自動運転車の開発・実用化を進めて、自動運転関連のデータをもっているGMから、当該データを活用させてもらうことを主目的にしているとみます。


自動運転能力を左右する人工知能(AI)は、現在、機械学習方式がメインになっています。


機械学習のAIは、多くのデータから反復学習してその能力を高めていきます。


この自動運転のデータ獲得・蓄積で先行しているのは、米大手ITベンダーのグーグルです。


グーグルが、世界で一番初めに、自動運転車の開発・実用化を開始して、長い時間と費用をかけて、公道で必要なデータ蓄積を行ってきましたし、今も引き続き行っています。


トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、自動運転車の開発・実用化でグーグルなどの動きに出遅れました。


当初、これらの国内自動車メーカーは、安全性の担保などから、自動運転車の開発・実用化にはあまり積極的ではなく、グーグルなどに先行を行って許しました。


もう一つの誤算は、電気自動車(EV)の開発・実用化です。EV普及の障壁は、搭載電池の性能不足により、一回の充電での走行距離が短いことでした。


この課題も、多くの電池メーカーが、不断の開発・実用化の努力をしており、一回の充電での走行距離も大分長くなってきましたし、今後も改善され続けます。


EVは、現時点でのベストと言える環境対応車であり、多くの欧州自動車メーカーが、ディーゼルエンジン車からEVへの転換を実施していることも、EVの普及を後押ししています。


つまり、近未来の自動車は、自動運転機能付EVが主流になります。


現在の自動車は、ガソリンエンジン車が主流ですので、既存の自動車メーカーの強みが発揮されており、グーグルなどの新規参入する非自動車メーカーには、勝ち目がありません。


しかし、EVの開発・実用化は、まったく異なる風景になります。しょうしょう極端な言い方をしますと、グーグルが行っているように、現在の自動車に対する開発・実用化のノウハウがなくても誰でも実行できるようになります。


グーグルの場合、この企業は自動運転機能付EVで、トヨタやホンダなどの自動車メーカーと同じ土俵で戦うことは、まったく考えていません。


おそらく、グーグルは、自動車本体は自動車メーカーからOEM調達して、そこに自動運転機能と、自動車内で楽しむインターネットツールやデバイスを提供するやり方になります。


グーグルは、自動運転機能付EVを、動くインターネット端末機器としてとらえています。


もし、グーグル、アップル、アマゾンなどの米大手ITベンダーが、このようなやり方で、自動運転機能付EVの開発・実用化を進めて、大きなシェアを獲得すると、国内自動車メーカーは、完全な下請企業になる可能性があります。


このような事態は、日本経済に大きな影響を与えますし、既存の自動車メーカーの多くは、生き残れないと考えます。


トヨタは、このようなリスクを想定して、2~3年前から、インターネット・IT・AI・IoT対応に多額の投資をしてきており、多くのオープンイノベーションのやり方を取り入れて、他社との連携・協業(アライアンス)を積極的に行っています。


本日の記事にありますソフトバンクとの連携・協業(アライアンス)は、トヨタが自社もデータのプラットフォーマーになって、ライドシェアなどの多角的なビジネスモデルを構築しようとする動きの表れとみています。


グーグル、アマゾン、アップル、フェースブックなどの米大手ITベンダーは、インターネット・ITを武器に、既存事業基盤を急速に破壊・再構築してきました。


既存自動車事業基盤も、その例外にはなりません。その判断のもとに、トヨタやホンダが、本気になってオープンイノベーションのやり方をさらに徹底して行って行くと確信しています。


このような既存自動車事業が大きく変わる中で、主要プレイヤーが、オープンイノベーションのやり方をどのように活用して成果を出して行くのか、中小企業にとっては良い参考例になります。


この視点から、今後のトヨタやホンダの動きについて注目していきます。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



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日経記事;『EV化で進む車のデジタル開発、助っ人は新興企業』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                                             2018年9月23日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


9月23日付の日経新聞(電子版)に、『EV化で進む車のデジタル開発、助っ人は新興企業』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


記事の一部抜粋(冒頭部分)は、以下の通りです。


『自動車開発の世界で、スタートアップ企業が存在感を増している。きっかけは電動化や自動運転に対応した効率的な開発・設計手法「モデルベース開発」(MBD)の広がりだ。業界で不足するデジタル技術のノウハウをスタートアップが補い、大企業との連携も広がる。「ケイレツ」があり新規参入が難しいとされた業界の姿は過去のものになりつつある。。。』


私がこの記事に関心をもったのは、今までの自動車業界の仕事のやり方に大きな影響を与える動きについて書いていることです。


私は、大手AVメーカーに勤務していたときに、新規事業立上のため、多くのITベンチャーやITベンダーとの協業・連携(アライアンス)を行っていました。


ほとんどのITベンチャーやITベンダーは、アメリカのシリコンバレーやサンフランシスコに拠点をもっていました。


我々は、当時これらのITベンチャーと、イコールパートナーシップで新技術・新商品の開発・実用化を行っていました。


まだ、オープンイノベーションという言葉が、一般的に使われていない時期から、実質的な協業・連携(アライアンス)をイコールパートナーシップで実行していました。


イコールパートナーシップで実行することは、事業規模や設立時期などに関係なく、完全な水平分業方式で新規事業立上を行うやり方になります。


協業・連携(アライアンス)を有効に行うために、ITベンチャーに出資したり、場合によっては、当該ベンチャーをM&Aで買収したりしました。


しかし、ほとんどの場合、新規事業立上に関するプロジェクトごとのイコールパートナーシップで実行する連携・協業(アライアンス)でした。


これは、当時、私が勤務していた会社は、主要事業基盤がアナログ技術からデジタル技術への大きな変革時期にあり、既存事業基盤が急速に破壊・再構築されつつある状況下にありました。


当時、私の勤務していた会社を含めて、多くの国内AVメーカーは、デジタル技術のノウハウ蓄積がなく、プログラマーなどのIT技術者もいませんでした。


必然的に、我々は、アメリカのITベンチャーやITベンダーと、連携・協業(アライアンス)して、急激な事業環境変化状況下で、新規事業立上を行う必要に迫られていました。


当時の経営陣の中には、この急激な事業環境変化を理解しない、あるいは理解できないで、アナログ技術を中心とした既存事業基盤を強化して対抗するやり方を主張していた人もおり、たびたび足を引っ張られた記憶があります。


一方で、インターネット・ITが行っていた既存事業基盤の破壊・再構築の速度が速く、既存事業基盤に軸を置いた経営のリスクも明確化されていきました。


その結果、我々は、上記連携・協業(アライアンス)を思い切って行うことができるようになりました。


自動車産業は、自動運転機能付EVの開発・実用化という、今までの経験やノウハウ蓄積が、ほとんど役に立たない事業環境変化に直面しています。


この事業環境変化は、かって国内のAVメーカーが直面したものと同じです。


もし既存の自動車メーカーが、今までのやり方に固執して、自動車の開発・実用化を行えば、必ず失敗します。


トヨタ、ホンダ、日産などの国内自動車メーカーは、この事業環境変化に対応しないと、廃業に追い込まれるリスクを明確に認識していると考えています。


日経の上記記事にありますホンダグループのケーヒンが、ITベンチャーである設計受託のプログレス・テクノロジーズと連携・協業(アライアンス)して、自動車技術の共同開発を行っている事例が紹介されています。


これは、今後の自動運転機能付EVの開発・実用化は、デジタル技術が無いと実現できないことであり、多くの自動車関連メーカーには、そのようなデジタル技術をもっていないことを示しています。


トヨタは、2~3年前にアメリカのシリコンバレーに巨額投資して、大型のデジタル技術の開発拠点を作りました。


また、トヨタは、積極的に投資して、ITや人工知能(AI)・IOT技術を取り入れています。


しかし、トヨタがどんなに巨額投資して、ITや人工知能(AI)・IOT技術を取り入れても、1社単独で競争力のある自動運転機能付EVの開発・実用化を行うことは、不可能です。


それは、米国の大手ITベンダーであるグーグル、アップル、アマゾンなどが、積極的なM&Aや他企業との協業・連携(アライアンス)を行って、EVの開発・実用化を行っていることにあります。


これらのIT企業ベンダーは、決してトヨタのような自動車メーカーになる積りはありません。


彼らは、自動運転機能付EVを、動くインターネット・IT端末機器としてとらえています。


つまり、自動運転機能付EVが広がれば、インターネット・IT端末機器が増えて、より一層自社の事業基盤が拡大・強化されると考えているのです。


しかも、今後、自動車は所有から共有に変化する予測も出されています。


このような急激な事業環境変化の下で、トヨタなどの国内自動車メーカーが世界市場で戦っていくためには、自前のノウハウややり方に固執せず、柔軟に他企業と連携・協業(アライアンス)を組んで、相手がベンチャーであろうとも、「Win/Win」の関係を築くやり方で行うことが、ベストのやり方になります。


私は、自分の支援先企業の協業・連携(アライアンス)活動を積極的にサポートしています。


相手企業には、中堅・大手企業が入ってくることがあります。イコールパートナーシップで実行する協業・連携(アライアンス)を行えない、中堅・大手企業とはチームを組みません。


「Win/Win」の関係が構築できない、相手先との協業・連携(アライアンス)は、期待した成果がでないことによります。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



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日経記事;『ルネサス、6600億円で米半導体買収 IoTの中核技術取得 設計・開発に軸足』に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                                                  2018年9月2日

皆様、
こんにちは。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


9月1日付の日経新聞に、『ルネサス、6600億円で米半導体買収 IoTの中核技術取得 設計・開発に軸足』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


記事の一部抜粋内容は、以下の通りです。


『半導体大手のルネサスエレクトロニクスは米国の半導体メーカー、インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)を買収する方針を固め最終交渉に入った。買収額は60億ドル(約6600億円)規模とみられる。IDTはあらゆるモノがネットにつながる「IoT」の中核技術である通信用半導体の設計・開発に強みがある。。。』


この記事は、ルネサスが半導体のファブレス企業である米半導体メーカーIDTの買収を検討していることについて書いています。


ルネサスが、この記事の通りにIDTの買収を検討しているならば、ルネサス自信が大きな成長を見込める、自動運転車のビジネス領域で勝負をかけるとともに、他社との差別化・差異化を図るためのビジネスモデルを新規構築することを意味しています。


IDTのビジネス概要は、下記Webサイトに掲載されています。
https://idt.gcs-web.com/static-files/57c60de3-c8a6-41df-86cf-5c0c32872716


当社は、顧客の用途に最適化したシステムレベルのソリューションを開発・実用化しており、通信、コンピュータ、民生用電子機器、車載、産業の用途向けに完全に最適化したミックスド・シグナル半導体のソリューションを提供し、この業界では、リーダー的な役割をもっています。


IDTの強み・特徴は、使用目的に応じた当該半導体の開発・実用化能力にあります。


今までの国内半導体メーカーは、過去の成功体験から、製造設備への巨額投資で製造コストを削除した量産効果で、差別化・差異化を図ろうとしてきました。


しかし、この国内メーカーのビジネスモデルは、韓国メーカーのより巨大投資の実行により、競争力を失って世界市場でシャアを奪われてしまいました。


ルネサスは、この国内半導体メーカーの今までのビジネスモデルではなく、自動運転機能の開発・実用化に必要な半導体の開発・実用化を行うことで、収益確保・拡大するビジネスモデルへの変換を行おうとしています。


ルネサスのやり方は、合理的です。


ルネサスがこのビジネスモデルの変換に成功するかどうかは、買収後のIDTの扱い方によります。


買収後も、IDTの現在の経営のやり方を継続して行えるようにすることが、ルネサスの成功のカギになります。


インターネット・ITの事業領域では、M&Aを含めたオープンイノベーションのやり方が、最も普及しており合理的です。


どんな巨大企業でも、インターネット・IT・AI・IoT対応を行う必要がある自動運転機能の開発・実用化を行うことは、不可能です。


これは、関連事業領域が広いことと、当該分野の技術革新が猛烈なスピードで起こっていることによります。


自動運転機能の開発・実用化を行うには、参加企業がお互いに強みを持ち寄って、フラットなやり方で、連携・協業(アライアンス)を組むオープンイノベーションのやり方が必要不可欠です。


ルネサスが、IDT買収後に、他社を巻き込んだオープンイノベーションのやり方を徹底的に行うことが、自動運転機能の開発・実用化で勝ち組になるために必要なことです。


このオープンイノベーションのやり方を徹底的に行うことは、国内中小企業にとっても重要であり、必要なものになります。


私の支援先企業の多くは、オープンイノベーションのやり方を徹底的に行っています。


これは、インターネット・ITに直接的に携わっていなくても、多くの企業が、既存事業基盤の破壊・再構築の動きの中にいることによります。


自社の既存事業基盤を絶えず確認して、競争力を維持強化していく努力を不断的に行うことが必要です。


このときに、1社単独では、競争力の維持強化を実現することが難しくなっており、他社とのオープンイノベーションのやり方で、フットワーク良く動くことが重要になります。


自社が、他社とオープンイノベーションのやり方を行うには、自社の中でコアになる技術やノウハウをもっていることが、必要不可欠になります。


一般的にコアとなる技術やノウハウが無いと、他社とイコールパートナーシップで実行するオープンイノベーションのやり方を採用できません。


ルネサスが、IDTの強みを活かして、どのようなオープンイノベーションのやり方を行っていくか注目していきます。


ルネサスのやり方が、中小企業の参考事例の一つになるとみていることによります。

よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



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無人タクシー技術、無人バスなど自動運転機能の開発・実用化は、オープンイノベーションのやり方が必要 [何故アライアンスが必要なの?]

                   2018年8月21日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


最近、2020年の東京オリンピックを見据えての意見や考え方を含めて、自動運転車の開発・実用化の予想についてさまざまなことが言われています。


今までの業界関係者などの意見を聞くと、バスやタクシーなどの業務用途の自動車は、2020年以降に実現すると言われています。


イスラエルで活発化している自動運転機能の開発・実用化で、代表的な企業の一つであるモービルアイのCEOは、、2020年に無人タクシーが開発・実用化されると予想しています。


モービルアイは、イスラエル発のベンチャーであり、2017年に米インテルに巨額買収されました。


モービルアイのWebサイトには、「当社の現行商品は後付けできる衝突防止補助システムであり、車両のフロントガラスに取り付けたカメラが前方車両・歩行者・オートバイ・車線を検知。前方車間距離警報・歩行者衝突警報・車線逸脱警報など、衝突の危険が迫るとアイコン表示とビープ音による警報を発して、居眠り・ふらつき・過労・脇見運転等による交通事故を防ぐ。」と記載されています。


モービルアイの強みは、高度な運転支援システムや自動運転を実現するための、画像処理技術とエッジコンピューティングを含めた高度なアルゴリズムの開発・実用化能力にあります。


米インテルがモービルアイを買収したのは、当社の高度技術が自動運転車の開発・実用化に必要不可欠なものであり、インテル技術・製品との合わせ技で、将来性のある有望市場で勝ち組になるためです。


モービルアイのCEOが言うように、自動運転はカメラ、レーダー、センサーで得た情報をもとに、高度なアルゴリズム技術を駆使して、短時間内に安全性を担保しつつ最適な走行のやり方を編み出す総合的な技術の結晶になります。


米インテルは、モービルアイの高度なアルゴリズム技術が、自動運転車の開発・実用化に必須となるコアテクノロジーをもっていると判断したと考えます。


自動運転車市場は、非常に大きなものになります。将来、ほとんどの自動車が、自動運転車になる可能性があります。


この自動運転車の開発・実用化は、上記CEOが言っていますように、カメラ、レーダー、センサーなどのハードウエアと、エッジコンピューティングを含む高度なアルゴリズム技術の集大成になります。


つまり、どんな大企業でも、1社単独での自動運転車の開発・実用化は、実現不可能になります。


これが、米グーグルやインテルなどの関連企業が、巨額投資や買収を行いながら、自動運転車の開発・実用化に必要なコア技術やノウハウを獲得していく理由です。


自動運転車の開発・実用化は、上記買収を繰り返しても、1社単独での実現は不可能です。


この課題を解決するやり方が、オープンイノベーションの実行にあります。大手企業は、M&Aとオープンイノベーションを有効に活用して、自動運転車の開発・実用化を実現することが、解の一つになります。


国内ベンチャーや中小企業にも、自動運転車の開発・実用化に際して、自社の技術やノウハウが有効なものであれば、この巨大市場に参入できる機会があります。


たとえば、エッジコンピューティング技術を含めた国内AIベンチャーの有力企業である、PFN(株式会社Preferred Networks)は、トヨタやファナックなどの大手企業とのオープンイノベーションのやり方で事業展開しています。


トヨタやファナックなどは、PFNに出資していますが、買収ではなく、イコールパートナーシップで、連携・協業(アライアンス)を実行しています。


自動運転車の開発・実用化は、ハードウエアとアルゴリズム技術を含むソフトウエアお高度な技術融合を短期間に行わないと、世界市場で勝ち組になれません。


自動運転車の開発・実用化に関係する国内企業は、自社の強みを最大化しつつ、M&Aとオープンイノベーションを有効に活用して、柔軟な対応を行える姿勢が重要であり、必要になります。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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スマートフォンに見る日本企業の対グーグル連携対応方針について [何故アライアンスが必要なの?]

                                                                2010年11月29日

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

本日は、首記のようにスマートフォンを例にとって、日本企業が行う連携の仕方について考えを述べます。

11月26日付の日経新聞によると、26日に発表されたKDDI(au)のスマートフォン(高機能携帯電話)の新機種「IS03」は、「事前予約が同社としては過去最高の27万台超になったという。」ことです。

「スマートフォン投入で出遅れた同社は同機種を反転攻勢の切り札と位置付けている。」とも書かれています。

IS03は米グーグルの基本ソフト(OS「アンドロイド」を採用。「おサイフケータイ」や「ワンセグ」、インターネット電話ソフト「スカイプ」などの機能を搭載し、「一台持ち需要」に対応しており、これが人気の要因の一つになっているようです。

NTTドコモも同日、韓国サムスン電子製のタブレット型情報端末「ギャラクシータブ」を発売しました。7型液晶画面を搭載しています。10月末に発売したスマートフォン「ギャラクシーS」は品薄状態が続いている、と書かれています。

何れも、グーグルのOSであるアンドロイドを採用しています。
各種の予測レポートを見ますと、今後のスマートフォンは、アンドロイドを採用したものが一番のシェアを取ると書かれています。

KDDIとNTTドコモのアンドロイド採用の方針は間違っておらず、グローバル市場で世界企業と戦っていく基盤が整いつつあると感じています。
携帯メーカーにとっても、主流となるOSでの開発・商品化は、国内市場だけでなく海外市場でも競合企業と同じ土俵で戦えることを意味しており、歓迎すべき状況と考えます。

パソコンの場合、マイクロソフトのWindowsが事実上のデファクトスタンダードになっており、各PCメーカーは使用料などを払って開発・採用する必要があります。

アンドロイドの場合は、グーグルが無償で提供するOSですので、誰でも自由に使えます。
グーグルにとっては、アンドロイドを採用した機器が世の中に多数出回れば、グーグルの市場支配力が高まりますので、宣伝広告収入などの増加が見込めます。

この観点から見ますと、スマートフォンのメーカー・通信会社と、グーグルは「Win/Win」の関係になります。


日本企業にとって大事なことは、グーグルに振り回されて自社事業にダメージが及ばないようにすることです。

11月中旬に、6月に発売したKDDIのスマートフォンのOS更新が出来ないと発表されました。メーカーはシャープでした。シャープは独自機能を盛り込むため、一世代前のOSを採用しました。このことが原因のようです。

片一方、韓国のサムソン電子は、独自機能よりも最新版のOSを採用してNTTドコモに端末を提供しました。

端末メーカーにとって、どのバージョンのOSを採用するか難しい問題だと考えます。
多分、グーグルは自社のロードマップ計画に基づいて、アンドロイドの更新を続けます。

マイクロソフトの場合は、OS提供者としてパソコンメーカーとは商売の関係になりますから、ある一定の頻度でOSが更新され、更新前に開発情報が提供されますので、メーカーはそれに従ってパソコン開発を進めることが出来ます。

アンドロイドの場合は、グーグルの独自方針でより頻繁に更新が行われる可能性があります。

この環境下で、グーグルの独自方針に振り回されないために日本企業が取るべき対応策は、二つあると考えています。

・一つは、日本企業が影響力をもって、グーグルにその実力を認めさせて、「Win/Win」関係を持った連携構築です。その為に、例えば、日本企業は端末の販売台数を世界レベルで増やして影響力を持つ必要があります。
その上で、グーグルにアンドロイドの更新内容や時期について協調して動くように働きかけます。
例えば、お互いの開発ロードマップ情報を交換し合って、双方にとって最適な更新内容や機能を同期するやり方です。
グーグルが協調にメリットを見出せば、連携が機能し上記のやり方が可能になると考えます。

・上記のやり方が難しい場合、韓国メーカーなどと同様に、常に最新のOSを採用して機能の強化充実を図れるようにする必要があります。
世界企業との開発競争に打ち勝つスピードが必要です。


よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁


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NHK放送;「シリーズ 縮むニッポン 中小企業の挑戦 連携して海外に活路を」を見て [何故アライアンスが必要なの?]

                                            2010年6月10日

皆様、

こんにちは。グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月10日朝7時代にに放映されました、「NHKニュース おはよう日本」にて特集番組である『シリーズ 縮むニッポン 中小企業の挑戦 連携して海外に活路を』が放映されました。

事例として、『アマテラス』が紹介されました。

アマテラスは、10社の専門分野の異なる中小製造企業が集まって構成しています。

昨今、新規事業の獲得を狙って中小製造企業が連携する動きが出始めています。
その中で、アマテラスのユニークさは、『航空宇宙産業のニーズ』に焦点を当てて特別な技術を持つ企業、10社が“サプライチェーン”を作り、連携を組んでいる事です。

『航空宇宙産業のニーズ』が対象市場ですから、当然、海外市場も対象になります。

アマテラスのWebサイトを見ますと、以下のように書かれています。

「。。。航空宇宙産業のニーズに沿ってまとめ上げ、一つのサプライヤーチェーンを構築し「一貫生産」をすることができれば国内外を問わず、さらなるマーケットの獲得が可能、という発想が、そもそものスタートです。このテーマに沿って多くのノミネートから、最終的に10社が選ばれ、確かな共通認識と熱意を共有する技術集合体「AMATERAS」が誕生しました。。。」
URL;http://www.amateras-tyo.biz/about.html#c03

技術分野は、以下のようになっています。

◆板金・プレス加工
◆放電加工
◆レーザ加工/電子ビーム
◆切削機械加工
◆表面処理
◆絞り加工
◆熱処理
◆組立・整備


アマテラスのWebサイトには、当然のごとく英語版もあります。
URL;http://www.amateras-tyo.biz/eng/members.html

また、各企業のWebサイトも英語版があります。


アマテラスの組み方は、中小企業連携の一つのやり方を示唆しています。
特徴は以下の通りで、連携を行う要件を満たしています。

◆対象市場を明確化し、特定している。
◆国内だけでなく海外市場も対象にしている。
◆一流技術を持つ企業が集まっている。
◆目的を共有しており、お互いに「Win/Win」の関係を作っている。
◆各企業の役割分担がはっきりしている。
☆グループの取りまとめ;株式会社 塩野製作所 代表
☆技術情報・加工情報・仕様要件・ご発注の相談窓口;多摩冶金株式会(海外も含む)
◆英語での交渉や契約も自分たちで行う。


既に、海外のトレードショーに出店し、サンプル品の納入依頼を受けるなど具体的な成果につながっているようです。

上記のような連携を組むには、中心となってリーダーシップを発揮する企業代表が必要です。
「Win/Win」の関係の共有化と、皆が汗を流す風土の醸成も必要になります。

複数の企業が連携して共同事業を行っていくためには、十分な事前準備ときめ細かい運営が必要であり、リーダー企業の資質によって左右される傾向もあります。
運営方法についても、『イコールパートナーシップ』で動くように取り決める事も重要です。


私もこの様な連携支援を行っていますので、関心のある企業はお問い合わせください。

よろしくお願いいたします。
以上、

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁


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