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日経記事;『海外生産「縮小」最多に 22年度11%、国内シフト進む』に関する考察 [海外市場・販路開拓]

              2023年4月6日


皆様、

こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

 

46日付の日経新聞に、『海外生産「縮小」最多に 22年度11%、国内シフト進む』のタイトルで記事が掲載されました。

 

本日は、この記事に関して考えを述べます。

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

『日本企業が海外生産を縮小する動きが目立ってきた。内閣府の調査によると、海外での生産比率を今後5年で縮小する企業の割合は2022年度に1割を超え、過去最高だった。重要部品の調達が途切れないよう国内に生産を移したり、世界経済の減速に備えて生産体制を見直したりしている。。。』

 

国内製造企業は、数年前まで、世界経済のグローバル化の動きに合わせて、労働力や労働コストを含む製造コストの最適な場所、および、対象市場へのアクセスの良さなどを総合的に勘案して工場を設置してきました。

 

アセアン地域内では、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピンなどが、国内企業の工場設置国になっています

 

一般的に、労働力はその国の15歳から64歳までの生産年齢人口数や伸び率で、最適かどうか判断します

 

労働力だけを見ると、今年中に世界一の人口大国となるインドが、工場設置国のトップにきます。

 

工場設置国の選定は、労働力や労働コストだけでなく、法規制の煩雑さや優遇措置の有無などの要因も重要視されます。

 

世界的なグローバル化の状況下では、国内製造企業は上記のような経済的な視点から、工場設置国の選定が可能でした。

 

現在の世界状況を見ると、グローバル化は現時点では死に体の言葉になっています。私は、この政治・経済環境は当面の間変わらないと見ます。

 

米中対立は深刻さを増しています。米国は、数年来、各種の輸出入規制などを中国に課しています。

 

加えて、昨年、ロシアはウクライナ侵略を開始し、現在も戦闘が続いています。米欧日オセアニアなどの西側諸国は、ロシアに経済制裁をかけています。

 

また、新型コロナウイルスの影響拡大は、既存のサプライチェーンの脆弱さも浮き彫りにしました。

 

国内製造企業は、このような複雑な世界経済の状況下で、工場設置国の選定を行う必要があります。

 

同時に、既に進出・設置した工場についても、製造、販売の事業活動に影響が無いように再配置する必要があります。その一つのやり方が、工場の国内への移転です。本日の記事は、その点について書いています。

 

国内に工場をもつには、製造コストの低純化、労働力確保、海外からの安定した部材の確保などさまざまな課題に直面します。

 

国内に工場を移転し上記課題を解決できた製造企業は、当然のごとく、国内市場及び海外市場の販路開拓・集客を強化する必要があります。

 

国内市場は、15歳から64歳までの生産年齢人口の急減少から、毎年、縮小しています。製造企業が、事業収益の拡大を実現するためには、海外市場の販路開拓・集客を行う必要があります。

 

国内製造企業の部品や商品が、競合に対する新規性、差別化・差異化ポイントなどをもっていれば、海外市場の販路開拓・集客を実現できる可能性が高くなります。

 

海外市場での競合に打ち勝つには、上記のように自社部品や商品の競争力を高める必要があります。勝ち組になった製造企業は、多少の政治的あるいは経済的な制約があっても、新規性、差別化・差異化ポイントなどをもっていれば世界市場で事業ができます。

 

逆に言いますと、競争力のない部品や商品は、海外市場の販路開拓・集客の実現が困難になります。

 

インターネットやITが普及した現在、国内製造企業の輸出事業;海外市場の販路開拓・集客を行うハードルは、以前に比べて格段に低減化されています。

 

国内製造企業は、国内に工場を移管した会社も含めて、より一層海外に向けて、輸出事業の拡大に積極的に取り組める環境があります。

 

一方、317日に書きました、ブログ・コラム::日経記事;『「貿易戦士」の熱きエール デジタルの「青い海」を見よ』に関する考察 [海外市場・販路開拓]”に触れていますように、国内中小企業の中で輸出を行っているのは全体の2割であり、売上高の輸出比率は3%台にあるとのことです。

 

そう、現状では、中小企業の売上高は、国内市場に大きく依存しています。自社部品や商品などが差別化・差異化ポイントなどをもっている中小企業は、より一層積極的に輸出事業の拡大に取り組むことが必要であり、重要です。

 

そして、私の経験則では、インターネットやITをフル活用して、合理的なやり方で海外販路開拓・集客を行えば、多くの国内製造企業などが、海外販路開拓・集客を成功できると考えています。

 

よろしくお願いいたします。

 

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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