日経記事;『稼ぎ頭、輸出から投資に 海外収益の国内還流は弱く』に関する考察 [海外市場・販路開拓]
皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本雅暁です。
3月27日付の日経新聞に、『稼ぎ頭、輸出から投資に 海外収益の国内還流は弱く』のタイトルで記事が掲載されました。
本日は、この記事に関して考えを述べます。
本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『海外とのモノやサービスなどの取引状況を示す国際収支統計の構造が変わっている。海外投資に伴う収益が海外で再投資され日本に戻っていない。海外のIT(情報技術)大手が提供するサービスの利用も増えデジタル関連の赤字も目立つ。構造変化に応じた政策の必要性が高まっている。。。』
本記事の中に、「2010年までは輸出から輸入を差し引く貿易収支の黒字が柱だった。11年以降は貿易赤字が増え、海外投資に伴う利子などの収支の第1次所得収支が黒字の中心となった。日本は輸出で稼ぐのではなく、投資で稼ぐ構造に移った。」と書かれています。
確かに、中堅・大手企業の場合、製造業で見ますと多くが製造拠点を海外に移して、現地で生産し・現地で販売するビジネスモデルを構築・強化しました。
当然のごとく、日本の輸出に依存した貿易収支は、悪化します。
中小企業の場合、一部は中堅・大手企業に追随して、海外に製造拠点を移しました。多くの中小製造事業は、国内に製造拠点をもって事業しています。
一方、国内の中小企業は、収益拡大を実現していくうえで、国内市場の市場縮小の壁にぶつかりつつあります。
国内市場は、市場規模の中核となる15歳から64歳までの生産年齢人口の大幅減少により、縮小の一途をたどっています。生産年齢人口の減少については、総務省が公開しています下記Webサイトをご覧ください。
中堅・大手企業は、海外に拠点を移して、現地で事業拡大ができます。多くの中小企業は、同じ対応ができません。
今回の記事に書いてありますように、「輸出が伸びない」というような論調に対して、中小企業は、『そんなの関係ねぇ!』(お笑い芸人の小島よしおさんのギャグです。)の姿勢で、輸出事業を拡大する必要があります。
輸出は、国内中小企業が収益拡大を実現するために、必要なことです。もちろん、すべての中小企業が、輸出を行って事業拡大を実現することは困難です。
国内中小企業が、輸出事業を伸ばすには、自社商品やサービスが、新規性、差別化・差異化可能な機能や特徴などをもっていることが必要不可欠です。競争力のない商品やサービスは、国内外の競合企業との競争に勝てないことによります。
中小企業が自社商品やサービスに上記のような強みをもっていれば、輸出事業の拡大に成功する可能性があります。
少なくとも、私が今までに支援してきました中小企業は、実現しています。中小企業が輸出事業を成功させるやり方は、色々あります。私は、今まで中小企業と共に苦労して実現してきたやり方を取っています。
私は、現在、「近代中小企業」(発行:中小企業経営研究会)からのご依頼で、月刊 近代中小企業『KinChu』に、「海外へ羽ばたけ 海外市場開拓のポイント」の総合タイトルで7回連載の記事を書いています。
この記事の内容は、今まで私が行ってきました中小企業に対する海外事業拡大のやり方がベースになっています。
なお、本記事の内容は、現在時点の私のやり方です。このやり方は、随時変更・修正をかけています。これは、私が新しい経験を積んだことにより、新規発見を続けていることによります。
ご参考情報として、私が今まで書きました連載記事は以下の通りです。
1回目;「中小企業の海外市場開拓への意義と必要性」2023年12月1日発行
2回目;「海外市場開拓の課題と対応」2024年1月1日発行
3回目;「中小企業による海外市場調査の基本①」2024年2月1日発行
4回目;「中小企業による海外市場調査の基本②」2024年3月1日発行
あと3回あります。
中小企業が輸出事業の拡大に成功するための、決まったやり方はありません。各企業の事業環境などから、固有のやり方を検討・立案して行うことが重要です。
上記連載記事の内容は、参考情報の一つです。
繰り返しになりますが、自社商品やサービスに新規性や差別化・差異化可能な機能や特徴などがあれば、輸出事業の拡大を実現する可能性があります。
よろしくお願いいたします。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A山本雅暁
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