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Twitterまとめ投稿 2019/10/22 [Twitter]


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日経記事;『トヨタ「ケイレツ」CASEで変容 取引社数首位 部品→ソフトに 事業構造転換迫る』に関する考察 [新規事業開拓・立上]

                                                   2019年10月22日


皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


10月22日付のの日経新聞に、『トヨタ「ケイレツ」CASEで変容 取引社数首位 部品→ソフトに 事業構造転換迫る』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『完成車メーカーを頂点とする日本の「ケイレツ」が一段と姿を変える。トヨタ自動車グループの主要16社と取引のあるサプライヤー約4万社を調べたところ、ソフトウエア会社がエンジンなど既存の部品メーカーを初めて上回った。後押しするのは自動運転や電動化といった「CASE」の大波だ。日産自動車がコスト削減を狙い約20年前に解体に踏み込んだ系列の仕組みは、デジタル化を背景に新たな地殻変動に直面する。。。』


この記事の大元となるデータは、帝国データバンクの調査結果:「トヨタ自動車グループ」下請企業調査(2019年)によります。このデータは、下記Webサイトで見れます。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p190301.pdf


このデータによると、トヨタグループ(主要関連会社・子会社計16社)の下請企業は、グループと直接的に取引を行う一次下請企業が6091社、間接的に取引を有する二次下請企業が3万2572社存在します。


トヨタの一次下請企業および二次下請企業の両方で、受託開発ソフトウエア企業が、それぞれ267社、1,340社と1位になりました。


トヨタをはじめとする世界中の自動車メーカーは、100年に一度の大変化期に直面しています。


自動車の開発・実用化のメインストリームが、既存のガソリンエンジン車から、自動運転機能付EV(電気自動車)に大きく変わろうとしていることによります。


この自動運転機能付EVは、CASE(コネクティッド化・自動運転化・シェア/サービス化・電動化)と言われている技術革新を起こしており、世界中の巨大企業がしのぎを削っています。


トヨタにとって、自動運転機能付EVの事業化での最大の競合企業の一つが、米大手IT企業であるグーグルになります。


グーグルは、得意のソフトウェアやAI技術により、自動運転の開発・実用化では既存の自動車メーカーより先行しています。


グーグルが、自動運転機能付EVを開発・実用化するのは、自動車メーカーになるのが事業目的ではなく、自動車を動く電子端末機器の一つにして、自社のインターネットサービスの出口数を増やすことにあります。


グーグルにとって、自動車はAI・IoT機能を実装するハードウエアであり、OEM調達して確保すれば良いものになります。


グーグルは、自動車の提供企業として、現時点ではフィアット・クライスラー(FCA)と提携しています。また、グーグルは、今後、提携する自動車メーカーを増やす可能性があります。


グーグルは、自動車というハードウエアを、ファブレスで外部から調達して、インターネット・IT・AI・IoT対応などを自社の競争力の源泉にして、事業展開します。


トヨタが感じているリスクは、グーグルとの競争に負けると、自社を含めた自動車メーカーは、OEM提供者になってしまうことです。


このため、トヨタは数年前に国内製造企業が得意としてきた垂直統合方式のハードウエア主体の開発・実用化のやり方から、他社との連携・協業(アライアンス)を主体とするオープンイノベーションのやり方を積極的に取り入れています。


オープンイノベーションのやり方の結果として、上記しまたように、受託開発ソフトウエア企業が取引先として1位になっています。


トヨタはAIの代表企業の一つであるプリファード・ネットワークス(PFN)に100億円超を出資しました。


このほか、ビッグデータ解析のアルベルトや、画像認識やチャットでの自動対話を実現していますパークシャ・テクノロジーなどに出資しています。


このような動きは、トヨタがハードウエア企業の顔をもちながら、ソフトウェア企業にもなっていくことを意味しています。


上記のオープンイノベーションのやり方と並行して、トヨタは、米国シリコンバレーに、1000億円以上の巨額投資を行って、ソフトウェアやAIの開発拠点を設けています。


これは、AIのようなコア技術となるソフトウェアは、外部に頼らないで自社内にそのノウハウをもって、競争力の源泉の一つとする考えを示しています。


トヨタこのようなコア技術内製化は、伝統的に「手の内化」と言われています。「手の内化」は、トヨタグループで使われている言葉です。


トヨタが行っている事業開発に必要なテクノロジーを外部に委ねず、自らコントロールするための取り組みです。


この「手の内化」を徹底的に行いますと、かっての垂直統合方式になります。


トヨタは、「手の内化」とオープンイノベーションのやり方を柔軟に取り入れながら行うことで、グーグルなどの手強い競争相手に打ち勝つことが可能になります。


トヨタの動き方は、何度か本ブログ・コラムで述べていますように、国内ベンチャーや中小企業が、オープンイノベーションを行うときの、参考事例の一つになります。


ところで、最近、及川卓也氏が書かれました『ソフトウェア・ファースト あらゆるビジネスを一変させる最強戦略』が話題になっています。私も最近読みました。


一般的に国内企業は、ソフトウェアに関する関心が低い状態が続いています。及川卓也氏が、同書で指摘していますのは、企業活動をソフトウェア・ファーストなものに変革し、実行する必要性です。


企業が、自社の商品やサービスの開発のやり方を見直すきっかけになる可能性があります。


私は、トヨタが行っている動きは、このソフトウェア・ファーストなると考えています。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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Twitterまとめ投稿 2019/10/12 [Twitter]


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日経記事;『自動運転技術、8社連携トヨタ・GM・ボッシュなど』に関する考察 [アライアンスから期待する効果]

                                            2019年10月13日

皆様、
こんにちは。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


10月9日付の日経新聞に、『自動運転技術、8社連携トヨタ・GM・ボッシュなど』のタイトルで記事が掲載されました。


本記事の冒頭部分は、以下の通りです。


『トヨタ自動車や米ゼネラル・モーターズ(GM)など世界の自動車メーカーと部品メーカー、半導体メーカーが自動運転の技術開発で連携する。各業界の大手8社が発起企業となり、自律走行のデータ処理や安全要件の共通化などで協力する。他の企業にも参加を呼びかけ、完全自動運転の早期実用化と開発コストの低減につなげる。。。』


トヨタは、自動運転機能付次世代環境自動車(EVや水素燃料電池車)を開発・実用化するため、2~3年ほど前から積極的にオープンイノベーション(他社との連携・協業:アライアンス)の手法を活用しています。


今回の記事は、トヨタやGMなどの自動車メーカー、部品メーカーのデンソーと独ボッシュ、半導体の米エヌビディアなど、自動運転機能を実現するため、自動車メーカーだけでなく、幅広く関連企業をアライアンス先に選んでいます。


トヨタは、GMと共に、共同組織「オートノマス・ビークル・コンピューティング・コンソーシアム(AVCC)」を発足させました。


自動運転機能付EVの開発・実用化は、現時点では米大手IT企業のグーグルが先行しています。この自動運転車市場には、アップルやアマゾンなどの他の米大手IT企業も参入する可能性があります。


次世代環境自動車(EVや水素燃料電池車)は、現在の自動車メーカーが大きな強みをもっていますガソリンエンジン車のノウハウが、まったく通用しません。


EVは、テスラモーターズが先行して開発・実用化しています。テスラモーターズは、ガソリンエンジン車についてはノウハウをもっていません。


しかし、テスラモーターズは、しょうしょう大げさに言いますと、蓄電池システムとITの活用で、電気自動車を開発・実用化しました。


テスラモーターズは、現在電気自動車の量産化では多少苦戦していますが、米国のサンフランシスコやシリコンバレーでは、数多くのテスラ車が走っています。


グーグルは、電気自動車自体を製造する考えをもっていません。フィアット・クライスラー・オートモービルズは、グーグルと自動運転機能付EVの開発・実用化を共同で行っており、グーグルに自動車本体をOEM供給する可能性があります。


もし、グーグル、アップル、アマゾンなどの米大手IT企業が、自動運転機能付EVの開発・実用化で主導権を握ると、多くの自動車メーカーは、自動車本体(ハードウエア)のOEM供給者になり、既存の事業基盤を失います。


米大手IT企業は、既存事業基盤を急速に破壊・再構築することで、自前の事業基盤を新規に作って、プラットフォーマーとして発展してきました。


トヨタは、その動きをきちんと学習しており、既存自動車の事業基盤は、100年に1度の大変革時期に直面していると名言しています。


米大手IT企業は、新規の事業基盤を迅速に作るために、自社の強みを最大化しつつ、自社がカバーできない領域は、オープンイノベーション(他社との連携・協業:アライアンス)のやり方で乗り切ってきました。


オープンイノベーションのやり方は、水平分業方式です。このやり方には、アライアンスだけでなく、M&Aの手法も含まれます。


トヨタは、自動運転機能付EVの開発・実用化にこのオープンイノベーションのやり方を積極的に取り入れています。


本日の記事にあります、共同組織「オートノマス・ビークル・コンピューティング・コンソーシアム(AVCC)」をGMと共同で構築・運営するやり方も、その一つになります。


次世代自動車の開発・実用化の動きで、米大手IT企業との競争に打ち勝つための、ライバル企業同士のオープンイノベーションのやり方になります。


トヨタは、このAVCCも含めてのオープンイノベーションのやり方に加えて、様々な開発・実用化を実現するための巨額投資を行っています。


トヨタが現在行っている今後1~3年間の様々な対応は、将来のトヨタの事業展開に大きな影響を与えます。


トヨタのオープンイノベーションのやり方は、新規事業を立ち上げるベンチャー・中小企業にとって、大きな参考事例になります。


この視点から、トヨタの今後の動きに注目していきます。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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