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帝国データバンク「:業界再編に対する企業の意識調査」に基づくM&Aに関する考え方 [アライアンスとM&A]

                             2010年5月16日

皆様、

こんにちは。グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月10日に帝国データバンクは、 「TDB景気動向調査(特別企画):業界再編に対する企業の意識調査」 を発表しました。

この意識調査から幾つかの興味深い事が読みとれます。

以下、調査結果の抜粋です。

「新興国企業による日本企業買収、日本経済にとって「脅威になる」が78.1%

中国やインド、ブラジルなど新興国の成長が著しいなかで、近年はこれら新興国企業による日本企業の買収がみられるようになっている。そこで、新興国主導による日本企業の買収の動き(事業買収や業務提携など含む)が、技術流出やモノづくりにおける日本の競争力低下など日本経済にとって今後の脅威になるか尋ねたところ、1万772社中4,185社、構成比38.9%の企業が「大きな脅威になる」と回答した。また、「やや脅威になる」(同39.2%、4,223社)と合わせ「脅威になる」と認識している企業は同78.1%(8,408社)で、全体の8割近くに達した。

業界別にみると、『製造』は「大きな脅威になる」が同41.8%(1,280社)となり、4割以上の企業で技術流出やモノづくりにおける競争力低下などについて強い脅威を感じている。

他方、「脅威にはならない」と回答した企業は同9.9%(1,069社)(「まったく脅威にはならない」(同1.3%、136社)と「あまり脅威にはならない」(同8.7%、933社)の合計)となり、全体の約1割にとどまった。

企業からは、「日本の生産の空洞化、雇用不安、家計の悪化、全体経済の悪化が懸念される」(産業用機械機器卸売、埼玉県)など、日本企業買収が日本経済に与える影響に対して強い懸念を抱いている企業は多い。。。。」


現在支援している中小企業経営者の考え方も含めた、上記調査結果に対する私の印象と考えは以下の通りです。


1.現在及び今後の日本は、中小企業と言えども海外市場を意識しない、或いは、関係しない形での事業継続は不可能と考えます。

海外、特に、最近日本の貿易相手国として伸びている中国、インドやブラジルなどの市場や企業を直視し、どう対応すべきか考える時期に来ています。

2.現在、私は中小企業の経営力強化のために、事業連携やM&Aの手法を使ってお手伝いをしています。
事業連携を採用する企業は増えてきています。
M&Aについても採用する経営者も増えています。

3.しかしながら、M&Aの相手先が欧米を含む海外企業であるとなると、中小企業の場合、多くの企業が尻込みする傾向が非常に高いと感じます。

欧米や中国から日本製造業者を買いたいという、需要は増えています。
製造業者の場合、彼らが欲しいのは、専門的或いは高度な技術です。

4.新規事業の展開を考えている中小企業の場合、既に事業化してある程度の市場や売上を確保した事業があればそれらを売却して、売却資金を新規事業の立ち上げに活用することが出来ます。

日本企業同士で既存事業や技術の売買が出来れば、言う事はないですが、現在余力のある企業が少なく、日本企業同士でM&Aが難しい状況もあります。

5.日本及び海外市場は大きくかつ急激に動いていますので、果断に意思決定をして「集中と選択」を行いながら、自社の経営力や技術力を迅速に向上させる必要があります。

「Win/Win」の関係が確認できるM&Aなら、相手が中国を含めた海外企業でも積極的にこの手法を活用すべき時期と考えます。

私の場合、会社勤務時に、欧米や中国企業とのM&Aを行いながら、自社事業の集中と選択を行ってきた経験があります。

その経験に基づいて言いますと、自社の経営戦略や方針が明確で、M&A手法により事業展開を考えている場合、中国を含めた海外企業とのM&Aも選択肢の一つとして考えるべきだと思います。

6.一番、愚かなことは、何もしないでビジネスチャンスを失う事です。
この場合、自社の状況を客観的に見直して、日本だけでなく海外市場で生きていく企業としての考え方を明確にする事が重要です。いわゆる、「経営戦略」です。

海外企業に萎縮しないで、たくましく渡り合える企業になる必要があります。
経営コンサルタントとして、このような中小企業の育成に少しでも貢献したいと考えています。

よろしくお願いいたします。
以上、

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁


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