5.覚書のポイント [各種契約行為のポイント]
2006年10月29日
今回は、前回に引き続き"覚書"のポイントについて述べます。
相手先との部品の共同設計を例にとって、以下の項目に関する"覚書"のポイントについて述べています。
今回は、、(F)特許・ノウハウの取り扱い方法/所有権 について"覚書"への盛り込みのポイントについて述べます。
このポイントも、部品の共同設計作業を相手先と行う時に、事前にしっかと"覚書"で押さえておかなければならない事項です。
特許・ノウハウは、どの製造業者にとっても、大事な知的財産であり、他社と差異化を図るための経営力の源泉の一つですから、あいまいにせずに相手先と良く話し合って明確化・文書化しておきます。
"覚書"に明示化する事項と内容は以下の通りです。
A.共同作業開始前に、自社及び相手先が所有していた特許・ノウハウの所有権
⇒自社及び相手先が各々所有している特許・ノウハウをリストアップしておきます。
また、自社の特許については、相手先と共同作業を開始する前に、出願をすませておく事が必要です。
B.共同作業の過程で生まれた特許・ノウハウの所有権
⇒相手先ともめない方法は、所有権を50:50にする事です。
但し、明確に自社或いは相手先の1社の力で生まれた特許・ノウハウは、各々当事者が100%の所有権を持つようにします。
C.共同作業の過程で生まれた特許・ノウハウのお互いの使用条件
⇒B項で所有権を折半した場合、お互いの使用条件は無償とします。
この場合、A項のお互いが共同作業前から持っていた特許・ノウハウの使用条件も含めて、すべての関連する知的財産をお互いに無償で使えるようにる”クロスライセンス”にする方法が明確で簡単です。
D.第三者に共同作業の過程で生まれた特許・ノウハウのライセンス条件
⇒お互いの所有権が50:50の場合、自社、相手先ともお互いの事前了解を得た上で、第三者にライセンス供与出来るようにします。
ライセンス条件(ライセンス料率など)は、両者で事前に合意しておきどちらがライセンスしても第三者からのライセンス収入は、折半します。
次回は、(G)共同設計の対象となる部品自体の扱い について"覚書"への盛り込みのポイントについて述べます。
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私は、すぐにはご回答出来ない場合もありますが、24時間以内にはご連絡します。
よろしく御願いします。
以上、
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