4.覚書のポイント [各種契約行為のポイント]
2006年10月25日
今回は、前回に引き続き"覚書"のポイントについて述べます。
相手先との部品の共同設計を例にとって、以下の項目に関する"覚書"のポ
イントについて述べています。
今回は、(E)当該部品の所有権/権利 に関して"覚書"に盛り込むポイント
について説明します。
この部分は、"覚書"の重要な決め事の一つになりますので、自社の利益の
最大化を考えながら、相手先の意向を勘案して"Win/Win"スキームを構築し
ます。
この部分は、相手先の理解を十分に得たうえで、"覚書"に盛り込みます。
所有権/権利の事例は、以下のようになります。
どのケースを選ぶかは、自社の経営方針と相手先との共同作業の仕組みづ
くりの結果により決まります。
◆ケース1;
・所有権:自社がお金を払って当該部品の所有権を買い取る。(所有権を自
社にする。)
・権利:相手先が当該部品を使用する時の使用条件を自社で決められる。
⇒所有権を買い取った金額とのトレードオフの関係になりますが、安く所有権を買う代わりに、相手先には無償かきわめて安い条件で使用許諾する方法があります。
他社(第三者)が使用したい場合、自社にて使用許諾条件を決めらる、或いは他社に使用許諾しない選択も出来ます。
◆ケース2;
・所有権:相手先と自社で所有権を折半する。
・権利;他社(第三者)が使用したい場合、相手先の了解・同意を取った上
で使用許諾条件を決める。
◆ケース3;
・所有権:相手先に所有権を売る。
・権利:自社の使用条件は、無償かきわめて安い条件で使用出来るように
相手先の合意を取っておく。
"覚書"では、詳細な金額を含む使用許諾条件を設定せず、どのケースを選
ぶかを明確にしておきます。
詳細な使用許諾条件は、部品の共同設計プロジェクトが終了した後に別途
ライセンス契約などで設定します。
次回は、(F)特許・ノウハウの取り扱い方法/所有権 について"覚書"への
盛り込みのポイントについて述べます。
今回の記事について、ご関心或いはご質問がある方は、私まで下記アドレ
スにeメールにてご連絡下さい。
私は、すぐにはご回答出来ない場合もありますが、24時間以内にはご連絡
します。
よろしく御願いします。
以上、
コメント 0