1.覚書のポイント [各種契約行為のポイント]
2006年10月10日
今回より、各種契約行為のポイント について述べます。
対象となる契約体は、以下の通りです。
◆覚書
◆次のステップとなる契約
例えば、製造・供給・販売契約、第三者への供給契約、ライセンス契約など
今回は、前回まで記事を書いていました、部品の共同設計でも触れました"覚書”について述べます。
"覚書"は、英語だと、以下のような表現になる一種のメモ書きです。
◆Minutes Of Understanding (MOU)
◆Letter Of Intent (LOI)
覚書は、立派な契約書の一つです。
一般に覚書は、次のステップの契約を結ぶまでの自社と相手先の共同行為の約束事を取り決めておくのに使われるケースがあります。
自社と相手先が共同事業の検討を行ったり、或いは、相手先と事業化の可能性について検討したりするときに、当該検討期間中の共同行為について、以下のような取り決めを行っておく時に締結します。
前回まで"設計コスト削減の為に行う他社との部品の共同設計"を例にとって、事業連携先の選定実施について説明しました。
この他社と行う協業活動は、お互いに時間とコストをかけて行うものですから、具体的な活動に入る前に相手先と協業活動のフレームワークについて、きちんと協議し合意を取っておく必要があります。
これを文書化したものが覚書です。
私は、部品の共同設計で考えなければならない項目として以下の事項を今までの記事で説明して来ました。
以下の事項が覚書の目次になります。
(A)部品設計のロードマップ(スケジュール)
(B)自社と相手先の役割分担
(C)当該部品の設計評価方法
(D)設計コストの分担
(E)当該部品の所有権/権利
(F)特許・ノウハウの取り扱い方法/所有権
(G)当該部品の扱い
上記項目について、覚書の観点から考える必要があるポイントを述べます。
先ず、(A)部品設計のロードマップ(スケジュール) について述べます。
(A)は、共同設計活動全体のスケジュールとそのスケジュール上でのイベントの取り扱いについて書きます。
ポイントは、以下の通りです。
(1)共同作業は、どれ位の期間で行うか
⇒例えば、半年或いは1年など
(2)共同設計期間中の中間地点での成果や進捗確認時期と方法
⇒例えば、3ヶ月毎に見直しを行うなど
(3)見直した結果で、共同プロジェクトを中断する時の約束事
⇒例えば、
◆それまでに取り交わした機密情報の取り扱い(NDA 条項を入れておく。)
◆そこまで共同で行った成果物の取り扱い。
所有権の明確化⇒例えば、折半にする。
◆そこまでに要したコストの分担方法、など
(4)共同設計作業終了後の次のステップ
⇒部品の製造・供給方法
第三者への供給・販売方法など
上記事項を確定し、次のステップとして例えば、製造・供給・購買契約締結に移行する事の意志(Intention)の確認。
今回の記事はここまでとします。
次回は、覚書に入れる(B)項以降のポイントについて述べます。
今回の記事について、ご関心或いはご質問がある方は、私まで下記アドレスにeメールにてご連絡下さい。
私は、すぐにはご回答出来ない場合もありますが、24時間以内にはご連絡します。
よろしく御願いします。
以上、
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