事業連携とM&Aの違いは?-その3 [アライアンスとM&A]
2006年6月15日
本日もM&Aの事について述べます。
この事例もちょっと古い話ですが、2006年2月9日付けのFujiSankei
Businessに以下の記事が記載されていました。
監査法人トーマツ系のトーマツコンサルティング(東京・千代田)が2月7日にまとめたアンケート調査で、自ら経験したM&A(企業の合併・買収)を成功と考える日本企業は1割どまり――、こんな結果が出ました。
過去のM&Aの目標達成度を10段階(10は達成、1は未達成、5は半々)で聞いたところ、「8」から「10」と答えた企業は合計13社(12.5%)にとどまった。M&Aで難しい点(複数回答)は「相乗効果の把握」が54社と全体の過半数。「ビジネスリスク」「統合方針の策定」の回答の倍以上にのぼった。特に目標達成度の低い企業ほどシナジー効果を実感できていないという。
調査にあたったトーマツ コンサルティングのパートナー、松江英夫氏は「今年もIT(情報通信)などを中心にM&Aは加速する。日本でM&A成功企業を増やすには、シナジー効果分析などのノウハウ不足や、M&A後の人事制度・経営体制などの未整備といった課題を解決しなければならない」と分析している。
M&Aに成功した企業でも77%が、シナジー(相乗)効果を出すための十分な施策を事前に策定しておらず、半数の企業は買収後にシナジー効果のモニタリングをしていないなど、日本企業のM&Aへの取り組みに問題があることが浮き彫りになった。
M&Aの目標達成について十段階(十が達成、一は未達成)で評価してもらったところ、「M&A成功企業」といえる評価「8」以上の企業は13%、評価「6」以上の企業を加えても42%にすぎなかった。
企業の95%は、企業努力でシナジー効果を創出できるとしているが、多くの企業は「時間がない」「分析の方法が分からない」「定量化できない」などの理由から、シナジー効果を分析できていない実情も明らかになった。
上記記事の背景は、私が以前に本ブログで事業戦略や事業計画の策定後、自社の経営力強化の選択肢の一つとして、売上拡大や利益の増加を達成する為に”事業連携”があるのであり、決して”事業連携”自体が目的や戦略では無いと、言っている事と一致します。
M&Aもお金の移動を伴う事業連携と考えますと、この行為自体が流行となって、M&Aを行う目的や理由、目標効果の設定が曖昧なまま行うと上記記事のような結果になるのだと考えます。
戦略やはっきりとした目的無しに、世の中のトレンド(流行)だとか、他社が上手く行ったから自社も行おう、と言った考えでM&Aをやりますと、お金と手間隙ばかりかかって、何のシナジー効果も生まれないと言う最悪の状態に陥る可能性があります。
次回では、M&Aが上手くワークしそうな事例を基にその理由や背景について述べます。
今回の記事について、ご関心或いはご質問がある方は、私まで下記アドレスにメールにてご連絡下さい。
私は、すぐにはご回答出来ない場合もありますが、24時間以内にはご連絡します。
よろしく御願いします。
以上、
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