事業連携とM&Aの違いは?その4 [アライアンスとM&A]
2006年6月17日
こんにちは。
前回の記事では、M&Aが全般的に上手く行われていない実態について述べました。
今回の記事では、最新のM&A活動の中で、明確な事業戦略の下に行われた可能性のある、M&Aの例について述べます。
2006年2月7日の日経新聞の記事によりますと、ソニーは6日、コニカミノルタから継承した「α(アルファ)」ブランドをつけた同社初のデジタル一眼レフカメラ「α100」を7月21日に発売すると発表しました。手ブレ補正機構をボディーに内蔵したほか、撮像素子(CCD)に付着したホコリを自動的に振り払う機能を備えた。カメラの有効画素数は1020万画素。価格はオープンだが、店頭での販売価格は10万円前後となる見込み。
ソニーは3月にコニカミノルタからデジタル一眼レフ事業の譲渡を受けており、同社から受け継いだ「α」ブランドでの市場参入を発表していた。記者会見では、同社のハイビジョン対応液晶テレビ「ブラビア」やパソコン「バイオ」などとの連携をアピールし、「今年度中に一眼レフ市場のシェア10%を狙う」(中川裕執行役)としている。
デジタル一眼レフではキャノンなどの精密機械メーカーが先行しています。今回のソニーの参入に続き、松下電器も参入する予定で、精密機械と電気メーカーが競合する段階に入る、と書かれています。
ソニーは、コンパクト機種では、高いシェアを持っており、今回の上級機種である一眼レフへの参入でカメラ市場への切り込みを図る、戦略だと考えます。
日経によるとデジタル一眼レフカメラの出荷台数は、379万台で前年比53%の成長市場です。
今まで、一眼レフカメラ市場に参入できなかったソニーと"Win/Win”の関係が成立し、コニカの「α(アルファ)」ブランドと技術の事業買収が成立したのだと考えます。
これは、ソニーが明確な意志・戦略の下に、コニカから事業買収を行ったものであり、成長市場への短期的参入方法といてのM&Aは、正しい選択肢と思います。
この選択肢がビジネス的に良い結果を出すか否かについては、今後の進展を見ないと判りませんが、例えば松下電器が似たようにオリンパスと組んで、今年の秋にもデジタル一眼レフに参入するとの記事もあります。
かって、松下電器はソニーの後を追ったビジネス展開を良く行っていましたので、今回の松下の動きはソニーの成功を感じ取っているのかもしれません。
今回のソニーの事業買収(M&A)は、明確な事業戦略の下に選択されたと考えており、この様なM&Aは、新規事業展開にポジティブな結果をもたらす可能性が高いと思います。
今後もデジタル一眼レフカメラ市場の動きを見ていきます。
結果については、新聞等で公開されましたら本ブログでも取上げていきます。
明確な目的や戦略の下に行うM&Aは、短期的に効果が上がる選択肢になります。
私自身が現在勤務している会社でも、市場が右肩上がりの状況でなくても、事業の状況分析を行ない、事業規模を伸ばす目標を確認した上で、M&Aを含む事業連携の選択肢を検討してきました。
その検討過程の中で、ビジネスマッチング候補を探し出し、”Win/Win”スキームを確認しながら、ベストなマッチング先(連携先)を選んでいます。
次回から、ビジネスマッチング先を探すプロセスについて述べていこうと思います。ご期待下さい。
今回の記事について、ご関心或いはご質問がある方は、私まで下記アドレスにメールにてご連絡下さい。
私は、すぐにはご回答出来ない場合もありますが、24時間以内にはご連絡します。
よろしく御願いします。
以上、
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