何故事業連携が必要なの?ーその7 [何故アライアンスが必要なの?]
2006年6月3日
今回も部品レベルでの事業連携について述べる予定でしたが、今週に興味ある記事を読む事が出来ましたので、その記事に関して私の思うところを述べます。
この記事は、5月30日付けの日経新聞に掲載されていたものです。
5月29日に発表されたNECの経営戦略説明会で、NECの矢野薫社長は、携帯電話の端末開発で松下電器産業と協業のための具体的な検討に入ることで合意したと発表しました。同時に「両社のブランドを生かしながらスケールメリットを出す」と述べ、国内市場向け端末を中心に競争力を高める狙いを語られました。
この記事から興味がありますのは、NECが松下電器との連携についてどの面からにプラスになるかと判断し、決定したかと言うことです。
矢野社長は、プレス発表の中で”両社のブランドを残したまま開発のほとんどを共同で行うことなどで開発期間や経費を削減できる。主要部品の共通化もコストメリットが出せる。”と述べられています。
確かに、この事は私が今までブログで述べてきました、開発や設計の事業連携で開発期間の短縮や開発、設計コストの削減につながると思います。
現在の国内携帯電話市場では、NECが15.8%、松下電器が16.1%のシェアを持ち、各々シェアは前年比2.8%、1.2%下げています。
ご存知の様に日本の携帯電話市場は飽和状態にあり、且つ、顧客が多機能・高性能化を指向しているため、常に最新機種を投入しなければならない状況になっています。
この市場環境化で、NECが松下電器との開発・設計協業で更にプラスとなるWin/Winスキームを見出しているのか記事内容からは読めません。
発表はされませんでしたが、もし今回の連携が日本市場での覇者になりことにつながり、その先には世界市場でのシェア拡大につながる道筋が既に両社で描かれていれば、今回の事業連携は両社にとって大きな経営基盤強化につながると思います。
この道筋が描かれていれば、”NEC・松下電器の強者連合”で日本だけでなく世界を相手に大きなビジネス拡大が可能になると考えますし、事業連携を行う醍醐味だと思います。
NEC1社では差異化のある部品や製品の開発、設計が困難でも、松下電器との連携で、日本及び世界を席巻できる競争力のあるものが出来れば、大変素晴らしい事だと思いますし、この観点からNECが事業連携に踏み切っていることを期待しています。
私は、今回の両社の事業連携がコスト削減だけでなく、世界を相手に競争力のある携帯電話を開発、設計する事につながるものである事を強く期待したいです。
今後、両社の動きについて注目して行きます。
もし最新状況が判りましたら、このブログでアップデートしていきたいと考えています。
日本の携帯電話メーカーが今回の様な事業連携を通じて競争力を強化して、世界で大きなシェアが取れるようになると良いですね。
今回の記事について、ご関心或いはご質問がある方は、私まで下記アドレスにメールにてご連絡下さい。
私は、すぐにはご回答出来ない場合もありますが、24時間以内にはご連絡します。
よろしく御願いします。
以上、
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