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何故事業連携が必要なの?ーその6 [何故アライアンスが必要なの?]

                                                              2006年5月28日

 

今回は、部品レベルでの事業連携例について述べます。

部品レベルの事業連携もプロトコルやフォーマット連携と同様に、他社多様な事例があります。

部品メーカーの中小製造業者の場合、セットメーカーと”Win-Win"スキームを構築するためのキーワードは、 差異化可能な技術・部品の供給 です。

 

例えば、日経エレクトロニクス(2006年3月13日付け)では、以下のケースが紹介されています。

記事タイトル;”レーザ光源のリアプロ実現に向け,セイコーエプソンが米国企業と共同開発へ”

セイコーエプソンは,米Novalux,Inc.とプロジェクタ向けレーザ光源の共同開発の契約を締結した(ニュース・リリース)。セイコーエプソンが保有するプロジェクタ技術や精密加工技術と,Novalux社が保有するレーザ技術を組み合わせることで,「既存のレーザの3倍に当たる出力の実現を目指す」(セイコーエプソン)という。セイコーエプソンは,このレーザを利用することで,高圧水銀(UHP)ランプを利用する現行のリアプロに対し,色再現範囲や寿命などに優れた製品の実用化を図る。

Novalux社が保有するのは,「NECSEL」と呼ぶ面発光型のレーザ技術である。このレーザ技術は「一般的な面発光型半導体レーザ(VCSEL)に比べて,高出力である特徴を備える」(同社 Chairmam and CEOのJean?Michel Pelaprat氏)という。

 

上記の事例は、Novalux社が保有するより高出力化が可能なレーザ技術をセイコーエプソン製品に取り込んで、差異化可能な製品を実現する、”Win/Win”スキームが構築されているケースです。

Novalux社は、当該デバイスをセイコーエプソンに販売するか、或いは技術の製品への使用や当該技術を使った製品の販売に対する許諾に対するライセンス収入が得られるビジネススキームを持てるのではないかと思います。

また、同社は、もしセイコーエプソンと非独占的私用契約を結んでいれば、他社に対する供与も可能ですね。

上記の例は、メーカーが他社の部品に対して、差異化が可能な場合、セットメーカーと共にビジネスの拡大が享受できるものです。


また、セットメーカー側も、自社製品の競争力強化につながる部品メーカーとの戦略的連携は必要で、お互いの信頼関係が構築できれば、セットメーカーと部品メーカー間で両者の技術開発ロードマップ情報を交換して、開発・設計・生産の時間軸を共有し、共に市場でビジネスを享受できる”Win/Win"スキームになります。

 

例えば、私もセットメーカーの立場から、部品メーカーとコアデバイスの共同開発/設計を推進しており、売上拡大につながれば共においしい果実を享受できますし、そうなるようプロジェクトを動かしています。

上述しましたように、部品レベルでの連携のキーは、技術や部品供給側が、セットメーカー製品の差異化を可能とするものを供給できるか否かです。

中小企業製造業の場合、液晶パネルの業界の様に、多額の投資を行って液晶パネル部材大型化と低価格化を加速すると言った展開は難しいです。

ある特定の技術・部品分野での差異化が可能なものを持っているかどうかが、キーになります。


次回の記事では、一社で差異化が可能な技術・部品を構築する事が難しい場合の対応や部品メーカーがセットメーカーと付き合う時のポイント等について、事業連携の観点から述べます。


今回の記事について、ご関心或いはご質問がある方は、私まで下記アドレスにメールにてご連絡下さい。

 bzsupmy@nna.so-net.ne.jp

私は、すぐにはご回答出来ない場合もありますが、24時間以内にはご連絡します。

よろしく御願いします。

以上、

 


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