柔軟な連携で新規事業立ち上げ・強化の実現に関する課題と対応 [アライアンスから期待する効果]
2010年6月1日
皆様、
おはようございます。グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
本日は、首記の件についてブログを書きます。
最近、トヨタとソニーの戦略提携が発表されました。
・トヨタの場合は、電気自動車のベンチャー企業である「テスラ・モーターズ」に約5千万ドル出資し、共同で電気自動車の開発を行う、となっています。
・ソニーの場合は、Googleと組んで基本OSであるアンドロイドを組み込んだインターネットテレビや電子端末などの事業を共同で行う、となっています。
トヨタは、ハイブリット車では世界最高の技術と実績を持っています。
最近、ニッサンを含めた競合企業が電気自動車の開発を優先的に行い、実績を出しつつあります。同時に、電気自動車に対する世界的な関心も高まってきており、トヨタも電気自動車の開発を急速に立ち上げる必要性を感じたのではないでしょうか。
自社で電気自動車開発の投資を全てまかなうのではなく、連携で投資リスクを軽減する考えだと理解しています。
ソニーは、従来よりテレビとパソコン・ネットとの融合を標榜して来ましたが、実現できずに来ています。
ネット活用やソフト開発力Appleに後れを取り、ウオークマンで築いた市場や電子端末機器では、Appleに主導権を取られています。
この弱点をGoogleと組むことにより克服し、インターネットテレビ実現を急ぐための提携になったと考えられます。
従来、短期的に技術や新規事業機会などの獲得には、M&Aが多用されてきましたが、最近、M&Aだけでなく上記のような『連携』も使われています。
連携の特徴は、「Win/Win」の関係が維持できなくなれば、何時でもそれを解消できる事です。
これは相手方も同じ、メリットを感じなくなれば、連携解消の提案が出されます。
連携は、中小企業も新規事業立ち上げなどに活用できる有効な経営手法です。
この連携の特徴を最大限活用するためには、何時その関係を解消してもよいように、準備しておくことが重要です。
特に、対応を誤ると経営に大きな影響が出る可能性のある中小企業は、この準備を周到にしておくことが大事であると考えています。
連携相手が大手企業の場合、連携内容をあいまいにしておくと、知財情報やノウハウなどが無料で流出し、自社の開発や事業展開に大きな影響がでる可能性もあります。
連携を行うときに、以前ブログで書きました様に、以下の事項について相手側と明確に取り決めて文書化しておくことが重要です。つまり契約を結ぶ事です。
・目的
・解決すべき課題
・成果目標(売上金額や開発・商品化など)
・成果の共有の仕方(いわゆる分け前)
・費用の分担、失敗したとき或いは想定しない事態が発生した場合の対応(事業の停止やそれまでに発生した費用の分担、参加企業・組織の責任の取り方など)
・連携中に発生する知財情報(特許やノウハウなど)の扱い方、
・機密保持
・スケジュールと役割分担、など
交渉や契約に時間がかかりますが、面倒だと思わずにきちんと対応する事をお勧めします。
詳しいやり方は、「他社との共同設計展開」を事例に、“アライアンス先の選定実施”カテゴリーにブログ記事を連載していますのでお読みください。
具体的な支援が必要な場合、 「All Aboutプロファイル」 か 「横浜経営支援センター」 の相談窓口からお問い合わせ願います。
よろしくお願いいたします。
以上、
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁
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