ビジネスマッチング先の選定-その4 [アライアンス先の選定実施]
2006年7月9日
今回は、共同設計を行うビジネスマッチング先選定の具体的なプロセスについて述べます。
このプロセスで大事な事は、前回の記事でも述べましたように、双方のメリットを確実に明確化しておく事であります。
この為、相手先とお互いの理解が一致するまで十分に議論し、その合意結果を文書で確認しておく事です。
1.事業連携先の候補とお互いのメリットを探し出す事について、以下の内容を盛り込んだ、覚書(MOU或いはLOI..... 注)を取り交わします。
覚書は、契約書の一つです。今後、お互いにやることの目的、内 容、スケジュール等について簡潔な形で合意を取っておくものです
もしこの覚書が大げさだと判断する場合は、メモ書きの形態でも良いと思います。
⇒注;MOU: Minutes Of Understanding
LOI: Letter Of Intent
◆目的
◆検討事項
◆検討体制(プロジェクトの体制)
◆検討を開始してから結論を出すまでのスケジュール設定(内容によりますが、通常短くて1ヶ月、或いは3ヶ月以内か、長くて6ヶ月以内に結論を出します。)
◆検討結果がお互いにメリットがあった場合の両社の今後の事業展開内容と行動スケジュール
◆検討結果がお互いにメリットが無かった場合は、本共同プロジェクトを終了する事
◆検討期間中に討議或いはやり取りした情報の扱い
⇒特に機密情報をやり取りするときは、必要に応じて別途機密 保持契約(NDA.... Non-Disclosure Agreement)を締結します。
このNDAについては、別途項目を設けてて締結するときの注意点等について述べます。
NDAの対応を誤りますと、御社の事業に深刻なネガティブインパク
トを与える場合があります。
2.覚書締結後、両社で具体的な検討のプロジェクト推進に入ります。この過程では、両社の協力の下にプロジェクトを推進して行きます。
大事な事は、このプロジェクトでイニシアチブを取る事です。
具体的には、以下のポイントに留意してプロジェクトを運営します。
◆検討を行う為の会議設定や、意思疎通を行う手段について、こちらから積極的に提案し、動きをかける
◆各検討課題の進捗をきちんとスケジュール管理する
◆各検討事項の担当を明確化し、結果が出た時点で当該結果を文書化する事により、プロジェクトの全関係者が見れるようにする
◆検討が進まない課題については、何故遅れるのか分析を行い、原因と対応を明確化し、検討が前に進めように働きかける
◆上記内容のプロジェクトを推進出来るプロジェクトリーダーを設定
し、エンジン役として動いてもらう
⇒社内に適任者がいない時は、外部の有識者(例えば、ビジネスコンサルタント) にプロジェクトの運営を委託する
◆検討結果が出た後に、両社の関係者で最終報告書のまとめを行う。この時もドラフト作成は、イニシアチブを取って行なう。
◆最終報告書が出来た時点で、必要に応じて両社のマネージメントに共同での報告会を行なう
⇒ポジティブな結果が出た場合、この共同報告会が両社の次のステップのキックオフになる場合があります
⇒ポジティブな結果が出なかった場合、プロジェクトは解散し、両社であつかった情報は、覚書の内容に従って処理する
次回からは、今回の記事で触れました、NDAの扱いについて述べていきます。
今回の記事について、ご関心或いはご質問がある方は、私まで下記アドレスにeメールにてご連絡下さい。
私は、すぐにはご回答出来ない場合もありますが、24時間以内にはご連絡します。
よろしく御願いします。
以上、
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