SSブログ

日経記事;『フォード、3000人削減 事務職など EV投資余力高める』に関する考察 [事業再生、集中と選択]

                                                     2022年8月24日


皆様、

こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

 

822日付の日経新聞に、『フォード、3000人削減 事務職など EV投資余力高める』のタイトルで記事が掲載されました。

 

本日は、この記事に関して考えを述べます。

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

『米自動車大手フォード・モーターは米国などで3000人規模の人員削減に踏み切る。22日、社員向けにメールで計画を通達した。事務職を中心に人件費を削減し、電気自動車(EV)事業での投資余力を高める。。。』

 

アメリカの2大自動車メーカーである、GMとフォードは、共に現在電気自動車(EV)の開発・実用化に邁進しています。

 

EVの事業分野では、テスラモーターズという新興企業が販売台数を大きく伸ばしています。

 

多くのアメリカ国民は、カリフォルニア州やニューヨーク州などの環境先進地域を除いて、総じてガソリンエンジン車を愛用・使用しています。

 

しかし、昨今のガソリン代の高騰は、アメリカの保守的なガソリンエンジン車愛好家の考え方を、徐々に変化させています。

 

環境対応に保守的な州でも、ガソリン代の高騰に対応するため、徐徐ではありますが、ハイブリッド車(HV)やEVへの関心が高まりつつあるあります。

 

GMやフォードは、アメリカ市場だけでなく、欧州などで自動車販売を行っています。欧州では、一気にEV化の波が押し寄せています。特に、ロシアのウクライナ侵略から発生しましたガソリン代の急激な高騰は、EV化を加速させています。

 

GMとフォードは、EVの開発・実用化を行わなければ、米欧市場で事業基盤を失うことになります。

 

何度か本ブログ・コラムで書いていますように、EVの開発・実用化には、しょうしょう極端な言い方をしますと、既存のガソリンエンジン車の技術的なノウハウは、役に立ちません。

 

しかも、EVには、今後、自動運転機能の追加・強化が必然的になっています。

 

国内自動車メーカーでは、トヨタがHV、水素燃料電池車、EVなど多種類の自動車の開発・実用化を進めています。

 

多分、このトヨタでさえ、テスラモーターズや中国のEVメーカーなどとの競争から、将来の自動車分野について、集中と選択作業を行う必要があると想定しています。

 

ホンダや日産は、将来の自動車はEVに絞って、開発・実用化を進めています。ホンダの場合、自動運転機能付EVの開発・実用化を見据えて、ソニーとのオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を組んでいます。

 

本日の記事にありますフォードは、ドイツのフォルクスワーゲンと事業連携(アライアンス)を組んで、EVの開発・実用化を進めています。

 

今まで、ガソリンエンジン車に特化して自動車の開発・実用化を進めてきたメーカーにとって、自動運転機能付EVの開発・実用化を行うことは畑違いの事業分野で競争することになります。

 

フォードは、自動運転機能付EVの開発・実用化に対して、巨額の開発投資を行う必要があります。

 

今回、フォードが発表した事務職を中心に3000人の人員削減を行うことは、会社にとって合理的な決定です。

 

フォードは、この圧縮した人件費をEVの開発・実用化に必要な投資に充てることになります。フォードは、更なる集中と選択作業を行う必要性があると考えています。

 

フォードには、自動車産業で100年に1度の大変革期を乗り越えるため、徹底的な集中と選択を行いながら、新規投資を躊躇なく行う経営姿勢が求められます。

 

アメリカと日本では、労働慣行が異なりますので、国内自動車メーカーがフォードと同じような集中と選択作業を行えません。

 

しかし、今後、フォードがどのような形で集中と選択作業を行いながら、新規投資の実施、オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)の実行を行っていくのか、その進め方は、国内自動車メーカーにとって参考になります。

 

フォードが、これらの3つのことをタイムリーに進められなければ、米欧の自動車市場から退出させられる可能性があります。

 

国内自動車メーカーは、フォードと同じリスク・可能性があります。

 

EV業界の動きは速いので、国内自動車メーカー、フォード、GMなどの既存自動車メーカーは、迅速な経営を行うことが求められます。

 

これらの自動車メーカーの動き方は、集中と選択作業を行いながら、新規事業の立上を行う中小企業にとって参考になります。この視点から、この動き方について大いに注目していきます。

 

よろしくお願いいたします。

 

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。