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日経記事;『[FT]移民への魅力が薄れた英国、人材獲得競争でも不利に』に関する考察 [海外進出・海外移管]

                    2022年8月8日


皆様、


こんにちは。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


 


88日付の日経新聞に、『[FT]移民への魅力が薄れた英国、人材獲得競争でも不利に』のタイトルで記事が掲載されました。


 


本日は、この記事に関して考えを述べます。


本記事の冒頭部分は、以下の通りです。


Financial Times


われわれは今起きていることは昔から変わっていない、といとも容易に思い込みやすい。英国各地で観測される30度以上の気温、選挙でおおむね左派政党に投票する高学歴の人たち、高齢化で人口危機に直面している日本やイタリアーー。。。』


 


このFinancial Timesの記事の骨子は、英国は移民を受け入れることにより、今までの間、英国の65歳以上の人口比率は欧州の中で4番目に若くなり、高齢化率は欧州の平均より2%低くなった。


 


65歳未満の人口が今まで英国の経済発展を支えてきたが、現在の英国は意味の受け入れに制限を設ける動きになっている。との指摘です。


 


『移民への経済的な優遇策を減らし、国を率いる政治家が反移民の姿勢を強めても、国力を維持していけると考えるのは甘いだろう。』と結んでいます。


 


私は、支援先企業の海外販路開拓・集客支援時に、海外対象地域や国の選択において、最優先で確認する経済指標があります。


 


それは、15歳から64歳までの生産年齢人口です。この生産年齢人口は、日本が参加しています経済協力開発機構(OECD)で定義されています。


 


生産年齢人口は、地域や国の経済力の源泉の一つになります。生産年齢人口は、自分で働くことで稼ぎ、稼いだお金を使う人たちになります。


 


生産年齢人口が多いと、働く人たち、つまり豊かな労働力をもつことになります。同時に、中間所得層を中心に大きな市場が存在していることになります。


 


現在のアセアン地域では、ベトナムの2022年での最新の生産年齢人口は67,365,373人で、総人口に対する割合は68.62%となっています。


 


ベトナムの生産年齢人口は、今後とも緩やかに伸びる予測になっています。


 


一方、タイの生産年齢人口は、2022年での生産年齢人口は49,079,452人で、総人口に対する割合は70.16%です。


 


タイの生産年齢人口比率は、ベトナムより高くなっていますが、生産年齢人口の伸びがなくなっています。今後、タイの生産年齢人口比率は、漸減していきます。


 


また、JETROの「新型コロナ禍2年目のアジアの賃金・給与水準動向(2021年)」をみますと、ベトナムの製造業の作業員・月額基本給(2021年)は、平均値でUS$265となります。


https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2022/ea6f8923fcf2600a.html 


 


タイの製造業の作業員・月額基本給(2021年)は、平均値でUS$433となります。タイの平均賃金は、ベトナムの平均賃金の1.63倍になります。


 


しょうしょう乱暴な言い方をしますと、現時点でベトナムでは新規に工場建設を行うことにより、労働力の確保が可能です。


 


タイの場合、賃金が高い生産年齢人口がいますので、豊かな中間所得層が存在しますので、BtoCおよびBtoBの両タイプのビジネスにとって、販路開拓・集客を積極的に行う市場となります。


 


ベトナムでは、毎年労働者賃金が上昇しています。ベトナムに進出済みの日系企業にとって、従業員の賃金上昇は最大の経営上の問題点となっています。さらに、20227月には、2年半ぶりに地域別の最低賃金が引き上げとなりました。


 


このような経済環境下では、いずれベトナムは、タイと同じようになり、製造工場の進出先としてではなく、豊かな中間所得層が存在する魅力的なBtoCおよびBtoBの両タイプのビジネスの対象国となります。


 


日本の生産年齢人口は、1995年をピークに減少しており、2015年の生産年齢人口は7,592万人、2030年には6,773万人、2060年には4,418万人にまで減少すると見込まれています。


https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc111110.html 


 


日本の市場規模は、急速に減少しており、魅力的ではありません。私の支援先企業が、新規事業立ち上げ時には、日本だけでなく、欧米アセアンなどの海外市場での販路開拓・集客を行う理由がそこにあります。


 


このように、生産年齢人口を経済環境や市場規模などをはかる指標の一つとして、活用することは有益です。


 


よろしくお願いいたします。


 


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁 

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