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日経記事;『オープンイノベーションの勘違い すれ違いを防ぐ6選』に関する考察 [アライアンス先の選定実施]

                 2022年2月14日


皆様、


こんにちは。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


 


214日付の日経新聞に、『オープンイノベーションの勘違い すれ違いを防ぐ6選』のタイトルで記事が掲載されました。


 


本日は、この記事に関して考えを述べます。


本記事の冒頭部分は、以下の通りです。


『新たなサービスを生み出す「オープンイノベーション」が広がるにつれ、大企業と中小・スタートアップの間で、すれ違いによるトラブルが目立ってきています。協業を成功させる条件は何か、トラブルを防ぐにはどうしたらよいか、参考になる記事を選びました。。。』


 


私が経営支援していますベンチャー・中小企業が、新規事業立上や国内外の販路開拓・集客を行う上で、オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)は極めて重要なツールになっています。


 


本日の記事では、ベンチャー・中小企業が大企業とオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を行う場合、不利な立場や条件に陥りやすくなっているとの論調で書かれています。


 


この論調の内容は、「イエス」であり、かつ、「ノー」になると考えます。


 


私が支援しています、オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を行う大前提は、ベンチャー・中小企業と相手先企業が、イコールパートナーシップで完全な「Win/Win」の関係になることです。


 


ベンチャー・中小企業は、大企業と比べて人的、財務的な経営資源は劣ります。これは、当然なことです。


 


だからといって、ベンチャー・中小企業が大企業より、不利な立場や条件でオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を行う必要は全くありません。


 


一般的に、大企業がベンチャー・中小企業とのオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を行うのは、相手先がもっている技術やノウハウに魅力があり、事業化を実現することが理由・要因になります。


 


一方、ベンチャー・中小企業が大企業とのオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を組む理由や要因は、自社の技術やノウハウをベースに事業化を実現する、販路開拓・集客を行う、製造委託先を確保する、開発・実用化や事業化の支援を受けることなどになります。


 


ここから先は、一般的なオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)についてではなく、私が現在、および過去行ってきた経験に基づいて本件について述べます。


 


私は、IT(アプリケーションソフト、医療用途のソフトウェアなど)や製造業(電気電子機器・部品、医療機器、バイオ関連機器など)のベンチャーや中小企業を主に経営支援しています。主な支援内容は、新規事業立上や米欧アセアン地域などの海外販路開拓・集客になります。


 


ベンチャー・中小企業が新規事業を立ち上げる場合、一般的なやり方は、国内市場で当該事業を行ってから、海外展開を行う順序になります。


 


しかし、現在の日本では15歳から64歳までの生産年齢人口が急減少していることから、国内市場規模が縮小しており、ベンチャーや中小企業が起こす新規事業の収益拡大に結びつかないケースに直面しました。


 


必然的にこれらのベンチャー・中小企業は、米欧アセアン地域などの海外販路開拓・集客が必要不可欠なことになります。


 


また、今までの経験では、国内の中堅・大手企業は、ベンチャー・中小企業とのオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)に対して、慎重であり各場面での意思決定に時間がかかり過ぎる傾向があります。


 


ベンチャー・中小企業は、オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)に積極的でない、中堅・大手企業と会話しても埒が明かないので、必然的に米欧アセアン地域などの海外企業との連携・協業(アライアンス)を模索します。


 


この国内企業のオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)に対する姿勢については、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)がオープンイノベーション・ベンチャー創造協議会 (JOIC) とともにまとめた、「オープンイノベーション白書 第三版」(2020529日に公開)の内容から見て取れます。このオープンイノベーション白書は、下記Webサイトに掲載されています。


https://www.nedo.go.jp/library/open_innovation_hakusyo.html 


 


この白書の中で、日本企業の経営におけるイノベーションに対する取り組み状況について、以下の記述があります。


・日本企業は、欧米企業と比較し、オープンイノベーションの実施率は低い傾向


日本企業は欧米企業と比較して、オープンイノベーションに対する予算の割合が低く、欧米企業の方がより多く資金をオープンイノベーション活動に費やしているという傾向


・日本のオープンイノベーション活動に従事する人員では、1-5名が60%と最も多く、6-10人が5%11-2014%21人以上が9%となっており、欧米と比較し、人員数が少ない傾向


 


一方、オープンイノベーションの取り組みから成果とリソースを獲得している企業も、


当然存在しています。これらの企業は、以下の成果を獲得しています。


・新規事業の創出、既存事業の主益性向上など成果が出ている


・オープンイノベーション実施によって得ることのできたリソースは、新規事業のアイデア、技術提携などが挙がっている


 


私がベンチャー・中小企業を支援していて感じることは、一般的に欧米アセアン地域など


の企業は国内企業に比べて、相手企業の規模や社歴に関心をもたないことです。


 


代わりに、欧米アセアン地域などの企業は、私が支援していますベンチャー・中小企業の


技術やノウハウに大きな関心をもっており、その内容(技術などの新規性、先進性、独創


性、競争力、差異化・差別化ポイントなど)が彼らの目的に見合うものであれば積極的に


連携・協業(アライアンス)を行う傾向が高いです。


 


ここで、私が支援先に行っている、オープンイノベーション;事業連携(アライアンスの


やり方について概説します。


 


1.まず相手先とよく会話をして、お互いの立ち位置やオープンイノベーション;事業連


携(アライアンス)の目的、あるいは期待される成果などを確認する。


具体的には、メールによる会話、対面での面談などを通じて、お互いに機密情報の開示を


行わないで、コミュニケーションを行う。海外企業の場合、海外出張や海外展示会出展・


出席などの場合しか対面での会話ができない。そこで、海外企業との会話やコミュニケー


ションを行うには、対面に加えてメールでの会話、Web会議ツール(ZoomSkype


Meetなど)を積極的に活用した会話や会議を行うようにする。


2.お互いに「Win/Win」の成果が期待できることが確認された後に、オープンイノベー


ション;事業連携(アライアンス)を行う上での覚書を取り交わす。覚書の内容は以下の


通り。


・目的・目標


・チームメンバー


・本プロジェクトの手順とロードマップ(スケジュール)


・自社と相手先との役割分担


・コストの分担


・成果物の所有権・権利の扱い


・特許やノウハウなどの取り扱い方法や所有権、など


3.しっかりした機密保持契約(NDA)を締結する。


4.オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を覚書に従って実施する。


5.オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を実施する過程で、状況や必要


に応じて、各種契約(製造委託契約、販売委託契約、開発委託契約、など)を結ぶ。など


 


なお、ベンチャー・中小企業が中堅・大手企業とオープンイノベーション;事業連携(ア


ライアンス)を行う上で、トラブルが最も多い事項の一つが特許などの知財権の扱いで


す。


 


これについては、中小企業庁が「知的財産取引に関するガイドライン」を作成・公開して


います。詳細につきましては、下記Webサイトに掲載されています。https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/chizai_guideline.html 


 


よろしくお願いいたします。


 


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁  

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