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日経記事;『ネット診療 世界で拡大米英中は保険適用 効率化の契機に』に関する考察 [海外市場・販路開拓]

                                     2020年5月18日

皆様、
こんにちは。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


5月18日付の日経新聞に、『ネット診療 世界で拡大米英中は保険適用 効率化の契機に』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『パソコンやスマートフォンなどで医師の診断を受けるオンライン診療が世界で急増している。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに病院へ通うのが難しくなった患者が増え、米国などが保険を本格適用したためだ。米国は2020年の診療回数が感染拡大前の予想の30倍近くに増える見通し。日本もオンライン診療を活用して医療を効率化し、年40兆円を超える医療費の削減につなげる必要がある。。。』


私は、数日前のブログ・コラムにて、新型コロナウイルスの影響拡大は、今までの個人の生活やビジネスのやり方を大きく変える可能性があると述べました。


本日の記事は、米欧日中国などで、オンライン診療が多く使われることになっていることについて書いています。


もっとも、日本では新型コロナウイルスの影響が存在する期間のみに限定して、オンライン診療を認めるとの条件がついています。


私の支援先企業の中に、オンライン診療に関するアプリケーションソフトを提供しているIT企業があります。


欧米で新型コロナウイルスの影響が急拡大した後から、この企業の英語版Webサイトの問合せページには、多くの企業や医者、病院から当該アプリケーションソフトに関する問合せが急増しています。


この企業のアプリケーションソフトは、CEマークを取得済です。しかし、米国市場で販売するために必要なFDA取得はこれから行います。


米国の医者や病院などからの問合せが急増したので、この企業はFDA担当者にeメールにて申請手続きや規制内容などについて確認しました。


FDA担当者からの返事は、このアプリケーションソフトがオンライン診療に真に効果的であれば、検証・確認・認可プロセスを短期的で行うことについて書かれていました。


この企業は、現在必要な作業を急ピッチで行っています。


米国では、新型コロナウイルスの影響前から、オンライン診療を積極的に導入してきました。


例えば、米AppleのApple Watchに搭載されている心電図アプリは、FDAの認可を受けています。


FDAは、数年前からGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon.com)などのIT企業と連携して、SaMD(Software as a Medical Device)の概念に基づいて、「医療機器としてのソフトウエアの在り方」に関するガイドラインを公開して対応しています。


米国では、国を挙げて医療分野にインターネット・ITを導入して、診察能力の向上や省力化を実現しつつあります。


また、米国政府は、医療に関わる国内企業のすそ野を広げて、米国企業の競争力強化を狙っています。


日本では、上記米国で起こっていることと真逆です。今回のコロナウイルスの影響拡大により、政府と日本医師会は、しぶしぶオンライン診療を限定的に認めています。


日本のオンライン診療は、新型コロナウイルスの影響がなくなった後、廃止される可能性があります。


私の支援先企業を含む医療事業を展開するベンチャーや中小企業は、市場導入を日本で行うのではなく、初めから米国や欧州の海外市場に注力して事業展開しています。


これは、日本の医療市場が岩盤のような強固な規制があり、オンライン診療やAI診断などのインターネット・ITをフル活用したハードウェアやソフトウェアが入り込める余地がまったくないことによります。


一般的に米欧市場では、企業の知名度の有り無し、企業規模の大小などに関係なく、新規性がある、差別化・差異化ポイントなどがある技術、商品、ソフトウェアは、高く評価されます。


米欧市場では、新型コロナウイルスの影響がきっかけとなって、医療分野にはさらにインターネット・ITが使われるようになります。


日本の医療関連のベンチャーや中小企業には、米欧市場で大きな新規事業機会の立上につながる可能性があります。


今後とも、このような医療関連のベンチャー・中小企業の海外事業展開を、より一層支援していきます。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



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