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Twitterまとめ投稿 2020/02/08 [Twitter]


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日経記事;『デジタル銀行 英国から黒船(シグナル)』に関する考察 [海外市場・販路開拓]

                                               2020年2月9日

皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


2月9日付の日経新聞に、『デジタル銀行 英国から黒船(シグナル)』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『英ロンドンの金融街シティーで1月29日、日本進出に関心を持つフィンテック企業や金融関係者を集めたセミナーがあった。金融振興で手を組む東京都とシティーが共催し、パネル討論や講演を通じて日本の魅力を発信した。東京都がもくろむアジアの国際金融ハブ化にどれだけ資するかはさておき、英フィンテックは日本展開を本格的させている。狙いはずばり、既存の銀行が守ってきた牙城の切り崩しだ。。。』


私は、経営コンサルタントとして、数多くのベンチャー・中小企業の新規事業立上や海外販路開拓・集客の支援を行っています。


その多くの場合、新規事業立上と、米欧アセアン地域などの英語圏の販路開拓・集客を同時に行っています。


ベンチャー・中小企業が、新規事業立上と米欧アセアン地域などでの販路開拓・集客を同時に行うことは、財務的あるいは人的資源などの制約から難しい状況になることはあります。


しかし、多くのベンチャー・中小企業は、そのような難しい状況であっても、日本国内市場に頼らずに、積極的に米欧アセアン地域などで、販路開拓・集客を行うやり方を選んでいます。


私の支援先企業には、多くの場合、米欧アセアン地域などの英語圏の販路開拓・集客を行うために、海外市場への投資ではなく、輸出事業の立上を行ってもらいます。


一般的に、海外販路開拓は、下記の4つのやり方から選んで実施します。
・海外販売会社の活用
・海外代理店の活用
・海外顧客への直接輸出
・海外向けインターネット通販の活用


どのやり方を選ぶかは、当該企業の経営資源、事業環境、取扱商品やサービスなどによります。


ベンチャー・中小企業が輸出事業を行う場合、海外顧客との間の決済手段や海外からの送金手続きが重要な経営課題の一つになります。


決済手段に、クレジットカードや、PayPal、Payoneerなどの決済代行サービスを選べば、送金手続きのやり方は解決します。


一方、多くのベンチャー・中小企業は、決済や集金のやり方として、自社口座への銀行送金を選んでいます。


この銀行送金は、海外顧客から嫌われる傾向が高まっています。その理由は、高い手数料と送金完了までの期間が長いことにあります。


本日の記事には、英フィンテック企業が、2020年6月までに日本で国際送金などのサービスを始める計画と書かれています。


英フィンテック企業の一つである、レボリュートは、「無料会員でも月5000ポンド(約71万円)まで主要な通貨間の両替や国際送金に手数料がかからない。外貨両替には銀行間取引レートが使われ、上乗せ手数料はない。ATMでの出金も毎月一定額まで無料だ。」とのことです。


片一方、日本の場合、みずほ銀行は、個人の店頭での海外送金手数料を2020年4月1日から3000円引き上げます。三菱UFJ銀行は、2019年6月に、三井住友銀行は、2019年12月に店頭での海外送金手数料を引き上げました。


英国のフィンテック企業と国内メガバンクの動きは、真逆です。


私は、英国や米国などのフィンテック企業の動きについて、積極的に情報収集しています。


私の支援先企業の輸出事業に追い風となる海外送金のやり方が、新規に利用可能になれば、当該サービス内容を詳細に検討・確認して問題なければ、迅速に切り替えてもらいます。


日本や欧米の多くの銀行が採用しているコルレス銀行(中継銀行)に依存する高コスト構造が、見直しを迫られていることは確実です。


米国発の大手IT企業による、インターネット・ITをフル活用して、既存事業基盤を急速に破壊・再構築してきました。


海外送金の分野も例外ではなく、フィンテック企業が国内銀行の事業のやり方を根本的に変革する可能性があります。


国内銀行にとっては、更に厳しい経営環境になりますが、海外輸出を拡大したいベンチャー・中小企業にとっては、海外送金のコストの低下は朗報になります。


今後の海外送金の変革について、注目していきます。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁



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Twitterまとめ投稿 2020/02/01 [Twitter]


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日経記事;『IBM、クラウド重視布陣CEOにインド出身者/社長に外部人材』に関する考察 [事業再生、集中と選択]

                                            2020年2月2日


皆様、
こんにちは。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


2月1日付の日経新聞に、『IBM、クラウド重視布陣CEOにインド出身者/社長に外部人材』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『米IBMが8年ぶりのトップ交代に踏み切る。バージニア・ロメッティ最高経営責任者(CEO、62)が4月に退任し、後任にクラウド担当のアービンド・クリシュナ上級副社長(57)が就くと30日に発表した。20世紀の「IT(情報技術)の巨人」は近年は停滞気味。市場は急成長する一方、同社が出遅れているクラウド事業を重視した布陣で浮上を目指すが、課題は多い。。。』


私は、何度か本ブログ・コラムでIBMについて書いています。そのほとんどがIBMの合理化;集中と選択作業に関することになります。


IBMは、何度か経営危機を経験しています。その歴史の中で最大の危機だったのは、1992年に約50億ドルという巨額の赤字を出し、文字通り瀕死の状態にありました。


このIBMの危機を救ったのは、1993年にCEOに就任したルイス・ガースナー氏でした。


ガースナーは、様々な合理化;集中と選択作業を積極的に行って、5年後の1998年頃には、60億ドル強の利益を出せる経営体質に変えることができました。


ガースナーは、当時のIBMのが事業基盤としていたメインフレームのハードウェア事業からの脱却を目指して、ソフトウェア主体のビジネスモデルに変更することを大胆に行いました。


このガースナーの一連の経営改革は、彼が書いた書籍『巨像も踊る』に詳しく書かれています。


この『巨像も踊る』は、日本で話題になり、私を含めて多くの人が購入しました。


このガースナーのやり方は、当時多くの国内電気機器メーカーが行っていた合理化;集中と選択作業の手本の一つになりました。


中でも、IBMが取った集中と選択作業の一つが、パソコン事業を2005年に中国のパソコンメーカーであるレノボに売却しました。


当時、IBMのノートパソコン、Think Padは利益を出していました。IBMは、ノートパソコン事業が近々に赤字事業になると予測して、ハードウェア事業であるノートパソコンビジネスから撤退しました。


このIBMの経営判断は、ハードウェア事業からソフトウェア事業への、事業基盤の移管作業の象徴の一つになりました。


このIBMの経営判断の先見性は正しく、その後国内家電メーカーの多くがノートパソコン事業を縮小したり、撤退しました。


このIBMのハードウェアからソフトウェアへの事業基盤の変革は、ビジネスの強みの源泉がハードウェアのモノづくりではなく、ソフトウェアの付加価値から生み出す動きの象徴的なものになりました。


IBMのハードウェア事業からの撤退は、2003年にハードディスク駆動装置(HDD)事業売却、2014年PCサーバー事業売却などを行っています。


しかし、IBMの既存事業基盤の一つが、大型コンピューターのメインフレーム事業になっていることについては、変わりがありません。


ここにIBMの弱みがありました。また、私が日本IBMの社員と一定期間ビジネスのつながりをもった経験で言いますと、この企業の社風が、日本のIT企業である富士通や日立製作所などと似ているとの印象をもっています。


要は、しょうしょうきつい言い方をすると、IBMの合理化;集中と選択作業が中途半端になったのではないかと推測します。


大型コンピューターのメインフレーム事業は、IBMにとって主力事業になります。このメインフレーム事業は、アマゾン、マイクロソフト、グーグルなどの米大手IT企業が仕掛けているクラウドサービスビジネスから、大きな影響を受けています。


多くの企業は、現在、クラウドサービスを利用しています。また、クラウドサービスを使用している企業の割合は、毎年増えています。


クラウドサービスの増加は、IBMのメインフレーム事業の顧客を奪いつつあります。


更に、IBMはソフトウェア事業の柱として、人工知能であるワトソンの拡販を長年行っていますが、成果を出しているとは言えない状況です。


今回のIBMトップの変更は、この会社にとっては初めてとなります。インド出身のクラウドサービスを手掛けている人に委託することになります。


IBMが、、アマゾン、マイクロソフト、グーグルなどのカリフォルニア州に拠点をもつ米大手IT企業との競争に打ち勝つには、ソフトウェアの技術的な強みを持つことに加えて、経営の迅速な実行能力やノウハウをもつ必要があります。


アマゾン、マイクロソフト、グーグルなどの米大手IT企業は、既存事業基盤を急速に破壊・再構築する動きで、収益拡大を実現してきました。


また、これらの企業は、オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を積極的に活用しています。


IBMは、今後、クラウドサービス事業を強化しようとしています。このクラウドサービスは、社内のメインフレーム事業と競合します。


クラウドサービスは、現在、アマゾンとマイクロソフトが2強になっており、グーグルが追いかけています。


このグーグルは、社内でクラウドサービスビジネスの継続の是非について検討し、当該サービス事業を継続することを確認しました。


この事業環境下で、IBMがどのような経営計画と行動を起こして、収益拡大を実現するのか、注目していきます。


IBMが中途半端な形で、合理化;集中と選択作業を行うと、他の大手IT企業との競争に負けてしまいます。如何に経営資源を集中して、迅速に対応できるかがポイントになります。


この視点からIBMの動きは、国内ベンチャー・中小企業にとって参考になります。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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