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日経記事;『世界人口、80億人に 国連推計 鈍る増加率、成長に試練』に関する考察 [海外市場・販路開拓]

                 2022年11月15日


皆様、

こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

 

1115日付の日経新聞に、『世界人口、80億人に 国連推計 鈍る増加率、成長に試練』のタイトルで記事が掲載されました。

 

本日は、この記事に関して考えを述べます。

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

『世界の人口が15日、80億人の大台に到達する。国連の推計によると、70億人に達した2010年から12年間で10億人増えた。出生率の低下などで人口増加率は鈍化が進み、20年に戦後初めて1%を下回った。新興国含め幅広い国々で少子高齢化が進む中、持続的な経済成長の実現が世界の課題となる。。。』

 

日本を含む世界の人口課題については、今までたびたびマスコミで書かれています。本日の記事も今までと同じ論調で書かれています。

 

国内企業は、継続的な事業収益拡大のやり方を、国内および海外市場でどう確立していくか考える時期にきています。

 

今まで本ブログ・コラムで何度か書いていますように、日本の市場規模の中核となる15歳から64歳迄の生産年齢人口は、毎年急激に減少しています。

 

生産年齢人口は、その国の中で、自分で稼いでそのお金を自分で使える人たちの人口層です。つまり、その国の中間所得層になります。

 

このことは、特にベンチャーや中小企業が国内市場への依存度を高めていると、継続的な事業収益拡大は、一般的に実現できないことを示しています。

 

そこで、私の支援先企業には、必ず国内および海外市場を並行して開拓・集客することができるように支援しています。

 

海外市場の市場規模を推定する指標の一つが、当該国や地域の15歳から64歳迄の生産年齢人口です。

 

10年くらい前まで、アセアン地域の生産年齢人口は、総じて右肩上がりで伸びていました。

 

タイの場合、2022年度の総人口が約7000万人に対して、15歳から64歳迄の生産年齢人口は、約4900万人であり、生産年齢人口比率は約70%です。

 

タイの生産年齢人口は、2015年くらいに頭打ちになり、その後、徐々に減少しています。しかし、上記の生産年齢人口比率は、現在、タイに一定規模の消費者市場が存在していることを示しています。そう、BtoC市場が存在しています。

 

日米欧の企業が、タイでBtoC市場向けに商品やサービスを提供しています。

 

タイは、第2次大戦後、高い労働力を求めて、多くの国内製造事業者がバンコク周辺の工場団地に投資を行いました。その結果、タイはアセアン地域内で確固たる製造拠点の地位を確立しました。

 

当然のごとく、タイの労働者賃金も向上して、生産年齢人口増加に比例して、一定規模の中間所得層を核とする市場が出来上がりました。

 

アセアン地域内で、タイの後を追っているのは、ベトナム、インドネシア、フィリピンです。これらの3カ国の生産年齢人口が、増えています。

 

ベトナムは、アセアン地域内でタイに次ぐ製造拠点の核となっています。これは、生産年齢人口が伸びていることと、労働者賃金がタイに比べて安いことにあります。

 

国内のベンチャーや中小企業が、対象となる海外市場を探す場合、数年前まで有効な指標は生産年齢人口であり、北米、南米、アセアン、その他アジア、中近東、アフリカなどを経済的なメリットを最優先にして、検討・確認していれば良かったです。

 

しかし、米国の前政権誕生や、中国の対外施策などを要因にして、米中対立が激化していきました。

 

また、今年はロシアによるウクライナ侵略が起こり、世界市場が政治体制や社会体制などの違いによる分断化が急激に進行しました。

 

その結果、国内のベンチャーや中小企業は、単純に生産年齢人口などの経済的要因のみで、海外事業の対象国を単純に検討・確認できない状態にあります。

 

このような状況下、私は、支援先企業に海外事業のリスク要因を下げて、安全運転で対象国を選び、商品やサービスを販売するやり方を強く勧めています。

 

具体的には、製造受託者の場合、海外での新規工場設立や子会社設立などの投資活動は、生産年齢人口や労働者賃金などを参考にして対象国を厳選して行う。

 

商品やサービスの輸出先は、生産年齢人口を参考にしつつ、可能な限り社会的、あるいは政治的なリスクが低い国や地域を選ぶようにする。

 

例えば、生産年齢人口が多くても、輸出した商品やサービスがリバースエンジニアリングなどにより、勝手に模倣される国には、輸出しないようなことです。

 

幸い、現在の為替レートは、国内から海外への輸出に有利に機能しており、競争力のある商品やサービスをもっているベンチャーや中小企業は、効果的に輸出事業を行えます。

 

中期的にみますと、今後、世界の生産年齢人口は、増加から横ばい、減少状態に移行していきます。

 

国内のベンチャーや中小企業は、生産年齢人口、政治体制、社会体制などの複数の要因を検討・確認しながら、安定的な海外事業を行うことがますます必要になります。

 

私も可能な限り多くの知見を得ながら、支援先企業に対して貢献していきたいと考えています。

 

よろしくお願いいたします。

 

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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