日経記事;『ソニー・ホンダEV、北米で生産 25年にネット販売』に関する考察 [アライアンスから期待する効果]
皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。
10月13日付の日経新聞に、『ソニー・ホンダEV、北米で生産 25年にネット販売』のタイトルで記事が掲載されました。
本日は、この記事に関して考えを述べます。
本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『ソニーグループとホンダが共同出資する電気自動車(EV)の新会社「ソニー・ホンダモビリティ」は13日、東京都内で設立記者会見を開いた。EVを北米のホンダの工場で生産すると発表した。2025年前半に先行受注を始め、26年春に北米から出荷する。販売はオンラインを中心とする方針だ。世界の自動車産業でEVシフトが進む中、エンターテインメントやテクノロジーを打ち出した商品開発を加速する。。。』
本日の記事は、ソニーとホンダが最終的に自動運転機能付EVの開発・実用化を行い、2025年から北米市場で販売することを発表したとしています。
ソニーとホンダの自動運転車は、一定の条件下で人が運転する必要のない「レベル3」となります。
また、この自動運転機能付EVは、カーディーラー経由ではなく、インターネット通販サイトで販売されると発表されました。
ソニーとホンダは、動く電子端末機器と言われる自動運転機能付EVを、インターネット通販サイトで販売するやり方を決めました。
このような動き方は、今までの既存自動車メーカーを中心とする自動車業界では行われてきませんでした。
しかし、EVの先進企業であるテスラモーターズは、2019年からEVをインターネット通販;オンライン販売で売っています。
その後、多くのEVを手掛ける新興企業が、EVをオンライン販売で売っています。
ソニーとホンダの自動運転機能付EVの導入年度は、2025年ですからテスラや他の新興企業と比べると、完全な後発参入組になります。
この後発参入企業連合が自動運転機能付EV市場で、勝者になるには圧倒的な商品力と、オンライン販売でのマーケティング力が必要不可欠になります。
この自動運転機能付EVの主要市場の一つとなる米国では、現政権がEVや水素燃料電池車などの環境対応車の普及を促進するため、EV購入に対する支援策を設定しています。
この支援策は、2022年8月に成立しています。EVなどの新車購入時に、最大でUS$7500を税額控除します。この支援策により、購入者は、購入代金を減額できます。
同時に、米国政府は、バイアメリカン施策を強化するため、この支援策の対象商品を、電池を含めた本体が一定条件下で、北米で製造されたものとしています。
ホンダは、EVを上記支援策の対象商品とするため、米オハイオ州の3工場でEVを製造します。さらに、EVに搭載される電池も、LGエネルギーソリューションとの協業により、EV製造工場に隣接した工場で製造します。
ホンダは、このようなやり方により、EVの製造環境を整えつつあります。
ソニーとホンダ連合が、後発参入組として北米市場で勝ち組になるには、EV本体とEVに搭載される自動運転機能、エンターテインメント機能などのソフトウェア部分で、競合商品に対して徹底的な差別化・差異化を実現する必要があります。
現時点では、まだ公式に発表されていませんが、米アップルが自動運転機能付EVの開発・実用化を進めているとされます。
もしアップルが自動運転機能付EV市場に参入した場合、ソニーとホンダ連合は、テスラとアップルの両社との厳しい戦いを勝ち抜く必要があります。
私は、現時点で、EVハードウェアをホンダ、EVソフトウェアをソニーの役割分担による、強者企業同士の「Win/Win」になる事業連携(アライアンス)が成立すると想定しています。
この両社の強者連合が効果的に働けば、テスラやアップルなどの競合企業との競争に打ち勝てると考えています。
今後、上記の視点から、ソニーとホンダ連合による、自動運転機能付EVの開発・実用化の動きに注目していきます。
よろしくお願いいたします。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁
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