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日経記事;『変わる金融のネダン(上) 迫る送金手数料ゼロ時代。。』に関する考察 [海外市場・販路開拓]

                                         2021年10月13日


皆様、

こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

 

1013日付の日経新聞に、『変わる金融のネダン(上) 迫る送金手数料ゼロ時代

少額専用、大手5行が新インフラ 50年不変の秩序に風穴』のタイトルで記事が掲載されました。

 

本日は、この記事に関して考えを述べます。

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

『かねて高いと批判されてきた銀行経由の送金手数料に変革の波が押し寄せている。10月から従来の枠組みの手数料を一斉に下げたほか、10万円以下の少額送金は無料化を視野に新たなインフラ整備を進める。フィンテックの台頭と脱現金の流れは、メガバンクをはじめとする銀行に、ほぼ50年間変わらなかった「金融のネダン」の再定義を迫っている。』

 

以前のブログ・コラムでも、ベンチャーや中小企業が行う国際送金の決済処理について書いています。

 

現在の日本は、世界に先駆けて、15歳から64歳までの生産年齢人口が急減少しています。その結果、本ブログ・コラムでもたびたび書いていますように、日本市場の中核となる中間所得層は急速に縮小しています。

 

日本の生産年齢人口の状況については、下記の総務省のWebサイトをご覧ください。

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc111110.html 

 

国内のベンチャーや中小企業が、国内市場を中心に事業活動を行っても、事業収益の維持拡大ができない状況になっています。

 

これらの国内のベンチャーや中小企業が、事業の収益維持拡大のためには、欧米アセアンなどの海外市場の販路開拓・集客を積極的に行う必要があります。

 

国内のベンチャーや中小企業が、海外市場で販路開拓・集客を成功させるには、自社の商品やサービスが新規性や差別化・差異化ポイントなどをもつことが必要不可欠です。

 

この点に加えて、国内のベンチャーや中小企業が輸出事業を成功させるには、必要とされる安全規格の取得、国際物流への対応、各国の輸出規制への対応、支払決済・国際送金への対応など、多くの課題を解決する必要があります。

 

本日の日経記事では、主に国内の銀行経由の送金手数料にについて書かれています。ようやく、日本でもフィンテックが金融業界でも進みつつあり、銀行経由の送金手数料が減額されるようになりつつあります。

 

私は、国内のベンチャーや中小企業の海外販路開拓・集客支援を行っていますので、国際送金にもフィンテックの動きが加速することを期待しています。

 

以前、輸出時の貿易決済のやり方の一つとして、L/CLetter of Credit)が使われていました。信用状のことを意味します。

 

L/Cは輸入者(買手)の取引銀行が輸出者(売手)宛てに発行します。輸出者が信用状条件に基づく書類を提示することで、銀行が輸入者に代わり、輸出者に対して代金の支払いを保証する確約書となります。

 

L/C決済の場合、銀行を介することで買手は前払いをする必要がなくなり、売手は商品を出荷した後でも代金回収するのが確実になるというメリットがあります。

 

しかし、銀行に対して支払うL/Cの手数料など取引にかかるコストと複雑な手間がかかるなどの理由から、現在多くの企業がL/Cを使っていません。

 

代わりに、現在多くの企業が活用している国際決済のやり方の一つとなる、銀行経由の国際送金です。

 

一般的に、銀行経由の国際送金のやり方の一つとして、国境を越えた送金で採られる「コルレス契約」という送金方法があります。

 

「コルレス契約」は、銀行相互間の為替取引契約を意味します。この契約は、国内と海外の銀行間において、送金の支払委託や手形の取立依頼、信用状の授受、決済勘定などについて取決めています。

 

日本や海外のすべての銀行が、コルレス契約を結んでいるコルレス銀行とはなっていません。

 

例えば、私が中小企業の社長で、米国の顧客企業から自社が使っているA銀行の口座に送金してらうとします。

 

もし米国企業が使っているB銀行がコルレス銀行でない場合、米国企業はB銀行からコルレス銀行であるC銀行から、A銀行の口座に送金してもらうことになります。

 

また、A銀行がコルレス銀行でない場合、別途国内のコルレス銀行を経由して、A銀行の口座に送金してもらう必要があります。

 

そうすると、私は最悪の場合、米国企業から送金してもらうのに、AおよびB、2行のコルレス銀行、合計4行の銀行を経由する必要があります。

 

当然の如く、各銀行から手数料が取られますので、4行合計の手数料は高額になります。また、何時までにA銀行の口座に入金されるのか不明です。

 

このように、現行の銀行経由の国際送金は、手数料が高く入金時期が不明確であるという、使い勝手の悪い決済手段になっています。

 

そのような状況下、今後の現状打破に期待するのは、フィンテックによる国際送金・決済手段の普及です。

 

グーグル、アップル、アマゾンなどの米大手企業は、ここ10年くらいの間に日本国内の既存事業基盤を急速に破壊・再構築してきました。

 

国内および国際送金についても、IT企業による既存事業基盤を急速に破壊・再構築を期待しています。

 

国際送金のフィンテック化の事例は、すでに出現しつつあります。一つは、イギリス発のスタートアップ企業であるWiseによる国際送金の仕組みです。手数料の安さと迅速な送金手続きが売りになっています。詳細は下記のWebサイトをご覧ください。

https://wise.com/ 

 

また、最近グーグルは921日にスマートフォン決済会社pring(プリン)を買収しました。今後、グーグルが日本国内で送金分野にどのような事業展開を行うかは、現時点では不明です。

 

今後、国際送金の分野で、フィンテック化が進み、競争によって送金手数料の低減化と、送金スピードが迅速になることを大いに期待します。

 

今後の決済・送金分野の動きについて注目していきます。

 

よろしくお願いいたします。

 

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 


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