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日経記事;『背水のGM提携 ホンダの勝算と誤算』に関する考察 [アライアンスから期待する効果]

                  2020年9月12日

皆様、

こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

 

9月4日付の日経新聞に、『背水のGM提携 ホンダの勝算と誤算』のタイトルで記事が掲載されました。

 

本日は、この記事に関して考えを述べます。

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

 

『ホンダが米ゼネラル・モーターズ(GM)との提携で、四輪事業の「本丸」とも言える基幹部品の共通化に踏み込んだ。3日、北米で両社が販売するガソリン車のエンジンやプラットホーム(車台)の共通化を検討すると発表。事実上の包括提携に踏み込む裏には、次世代技術や既存の四輪事業におけるホンダの勝算と誤算が透ける。。。』

 

トヨタのトップは、現在の自動車業界を100年に1度の大変革時期に直面しているとの認識をもっており、高い危機感をもっています。この危機感がもたれる背景は以下の通りです。

・温暖化対策の観点から世界市場で、ガソリンエンジン車からEVへのシフトチェンジが起こっている。

EVの開発・実用化は、既存自動車メーカーが強みをもっているノウハウを必ずしも必要としない。

EVの開発・実用化は、ガソリンエンジン車に比べて構造がシンプルであるため、参入障壁が総じて低い。

・グーグル、アマゾン、アップルなどの米大手IT企業が、自動運転機能付EVの開発・実用化を進めている。

・これらのIT企業のビジネスモデルは、既存自動車メーカーと異なっており、必ずしも自動車本体からの利潤追求を求めない。米大手IT企業は、自動運転機能付EVを、動くインターネットの出口端末機器としてとらえている。

・自動運転機能付EVの開発・実用化には、ハードウェアのノウハウだけでなく、AIIoTなどのインターネットやITのノウハウが必要になる。

・自動車の使用者の中に、所有から必要なときに借りるレンタル化の動きがある。

EV業界では、米テスラモーターズと中国メーカーが大きな存在感を出し始めている。

・将来の自動車業界は、EVに加えて燃料電池自動車が、究極のエコカーとして登場する可能性がある。など

 

これらの急激な事業環境の変化時に、トヨタでさえも1社単独で対応することは不可能です。トヨタは、数年前から異業種企業とのオープンイノベーション;連携・協業(アライアンス)を積極的に活用しています。

 

同時に、トヨタは1兆円規模の投資を、AIIoT対応などインターネットやIT関連に投資しています。

 

ホンダは、今までトヨタと同じようなオープンイノベーション;連携・協業(アライアンス)を積極的に行っていません。今までのホンダの強みは、研究開発・設計・製造までの一連の商品化過程を、1社単独で行う垂直統合方式で生み出されてきました。

 

このやり方は、多年のノウハウ蓄積を必要としたガソリンエンジン車での、開発実用化には極めて有効でした。しかし、世界市場では、ガソリンエンジン車からEV、もしくはPV、あるいは燃料電池車への移行が進んでいます。新型コロナの影響拡大は、この動きを加速させています。

 

ホンダの連携先であるGMは、ガソリンエンジン車の新規開発実用化に見切りをつけるとされています。GMは、98日にEVの新興メーカーである米ニコラとの資本提携を発表しました。GMは、ニコラの株式の11%を取得して、二コラが開発中のEVの生産やバッテリーの供給を受けます。

 

GMは、二コラとのオープンイノベーション;連携・協業(アライアンス)で、EVを開発・実用化します。ホンダも何らかの形で、オープンイノベーション;連携・協業(アライアンス)を採用して、EVの開発・実用化を加速させるとみています。

 

ホンダとGMは、最近、ヒット車が少ない状況になっています。この事業環境下で、ホンダとGMは、既存ガソリンエンジン車の製造コストを下げることを主目的として、今回の連携・協業(アライアンス)になったようです。

 

私は、今までベンチャーや中小企業の、オープンイノベーション;連携・協業(アライアンス)の遂行を支援してきました。この経験から言いますと、オープンイノベーション;連携・協業(アライアンス)を成功させるためには、参加企業が各々強みをもっており、勝者連合になることです

 

今回のホンダとGMのオープンイノベーション;連携・協業(アライアンス)は、本記事を読む限り、今まで行ってきた「自動運転機能付EVの開発・実用化分野」に加えて、主力のガソリンエンジン車の分野まで幅を広げています。

 

ホンダがGMとのオープンイノベーション;連携・協業(アライアンス)で、果実を得るためには、お互いの強みをもって勝者連合となり、トヨタやテスラモーターズなどの競合他社に対して優位性を確立する必要があります。

 

今後、ホンダとGMのオープンイノベーション;連携・協業(アライアンス)の展開の仕方に注目していきます。

 

よろしくお願いいたします

 

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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