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日経記事;『「黒字リストラ」拡大 昨年9100人、デジタル化に先手早期退職で人員見直し』に関する考察 [ベンチャー・中小企業支援]

                                       2020年1月13日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


1月13日付の日経新聞に、『「黒字リストラ」拡大 昨年9100人、デジタル化に先手早期退職で人員見直し』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『好業績下で人員削減策を打ち出す企業が増えている。2019年に早期・希望退職を実施した上場企業35社のうち、最終損益が黒字だった企業が約6割を占めた。これらの企業の削減人員数は中高年を中心に計9千人超と18年の約3倍に増えた。企業は若手社員への給与の再配分やデジタル時代に即した人材確保を迫られている。業績が堅調で雇用環境もいいうちに人員構成を見直す動きで、人材の流動化が進む。。。』


本ブログ・コラムで何度か書いていますように、銀行や保険会社などの金融機関では、事務仕事の単純、かつ定型的な作業は、人からRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション:robotic process automation)のようなパソコンに搭載したアプリケーションソフトに肩代わりさせる動きが加速しています。


これは、多くの金融機関が、異常な低金利などの事業環境下で利益を出せない状況になりつつあり、固定費の多くの割合を占めている人件費の圧縮を行う必要に迫られていることによります。


並行して、多くの金融機関は、インターネット・IT分野に専門的知見をもつ技術者やプログラマーなどを、積極的に雇用しています。


これは、全世界の金融市場で起こりつつあるデジタル化への対応を行う必要があることによります。


一般的には、この金融事業分野でのデジタル化の動きは、FinTech(フィンテック)と呼ばれています。


日本銀行のWebサイトでは、、FinTech(フィンテック)を、「金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結びつけたさまざまな革新的な動きを指します。身近な例では、スマートフォンなどを使った送金もその一つです。」と説明しています。
https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/kess/i25.htm/ 


国内の金融機関は、FinTech(フィンテック)対応のために、既存事業基盤を見直して、少々きつい言い方をすると、不要な人材を削減して、新規に必要な専門家を雇う動きを加速しているのです。


私は、以前、大手AV家電メーカーに勤務していました。この時に、マイクロソフト、DELLなどの米大手IT企業が行った、既存事業基盤を急速に破壊・再構築する動きを目の当たりにしました。


当時の国内AV家電メーカーは、なすすべもなく米大手IT企業との競争に負けました。


国内の金融機関は、かって大手AV家電メーカーが直面したことと同じように、既存事業基盤を急速に破壊・再構築される状況に陥りつつあります。


製薬事業や素材産業などの国内企業も、AI の活用促進や量子コンピューターが実用化されると、既存のやり方を踏襲していると、ある日突然、競争相手に既存事業基盤を急速に破壊・再構築されるリスクがあります。


今回、アステラス製薬、中外製薬、カシオ計算機、キョウデンなどの黒字企業が、リストラを行うのは、従業員の構成を見直して、デジタル化への対応を加速させることを意味しています。


伝統的な日本の終身雇用制度は、まだ大手企業を中心に残っていますが、新事業環境下で能力を発揮できない人は、必然的にリストラの対象になります。


一般的に、今後の国内企業の従業員は、専門的な知識・知見が求められるようになります。


本日の記事の中に、「即戦力となる中高年は、中小企業などの引き合いが強い。」と書いてあります。


これは、中小企業の視点から当然のことになります。専門的知識・知見・経験を持たない、大手企業を退職した人は、中小企業にとっても不要な人材です。


今後、中小・中堅・大手企業で働く従業員は、専門的な知識・知見がより一層求められます。


私は、複数のIT企業の経営支援を行っています。IT企業の国内外での事業環境も激変していますので、所属するプログラマーには、特定のプログラミング言語に精通するだけでなく、複数の言語を習得してもらうようにしています。


企業側も、従業員に対する教育やトレーニングをより積極的に行って、事業環境下に即した専門的な知識・知見を持てるようにすることも重要になります。


従業員や勤労者に対する教育やトレーニングについては、政府や地方自治体も、eラーニングに対する支援策をより積極的に行って、意欲ある人が低コスト、もしくは無料で受講できる仕組み作りを行うことを期待します。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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