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日経記事;『ソニー成長へ、クラウド補完 米マイクロソフトと提携 サブスクを収益の柱に』に関する考察 [アライアンスが決まる要因は?]

                                               2019年5月23日


皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


5月18日付の日経新聞に、『ソニー成長へ、クラウド補完 米マイクロソフトと提携 サブスクを収益の柱に』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。


本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『ソニーが米マイクロソフトと提携し、クラウドによる成長戦略にかじを切る。同社が提供するクラウドサービス「アジュール」を使い、ゲームなどのコンテンツや半導体の競争力を高める。マイクロソフトとの提携で手薄だったクラウドを補完し、収益源であるゲームなどのサブスクリプション(継続課金)を伸ばす狙いがあるとみられる。。。』


私は、本ブログ・コラムで何度か書いていますように、国内大手企業の典型的なオープンイノベーション;水平分業方式のやり方の事例として、トヨタ自動車の動きについて注目してきました。


今回の記事にあります、ソニーとマイクロソフトの事業連携(アライアンス)の動きについても、今後注目して行きます。


トヨタのオープンイノベーション、別な言い方では事業連携(アライアンス)を積極的に行っていますのは、米大手IT企業のグーグルなどが仕掛けています、自動運転付EVの開発・実用化に対抗するためです。


レベル3とレベル4の自動運転の開発・実用化が実現しますと、人と自動車の関わり方が大きく変化します。


レベル3とレベル4の自動運転車を利用する人は、車の運転に関心をもつ必要はなく、特に、レベル4の完全自動運転車が開発・実用化されますと、人は全く運転を行う必要がありません。


グーグルは、決して自動車メーカーになる事業意図はなく、自動運転車を動くインターネットの電子端末機器としてとらえています。


グーグルは、インターネットの検索エンジンで最強のプラットフォーマーになっており、自動運転車をインターネットの出口端末化することで、更なる広告宣伝収入を拡大することが事業目的です。


グーグルが、自動運転車の事業でプラットフォーマーになると、トヨタなどの既存自動車メーカーは、単なるハードウェアとしての自動車を提供する下請け企業になります。


しかも、EVのハードウェアは、ガソリンエンジン車に比べて、より容易に開発・実用化できますので、一般的にEVのハードウェアからの事業収益は、低下する可能性があります。


トヨタのオープンイノベーションは、この近々に起こるグーグルによる自動車事業基盤のゲームチェンジの動きに対応しようとしています。


一方、このグーグルは、3月に2019年内にゲーム市場に参入することを表明しました。グーグルは、クラウド経由でゲームを配信し、他のネットサービスと組み合わせることで、ソニーやマイクロソフトが手掛ける据え置き型のゲーム専用機によるビジネスモデルとは異なるやり方でゲームビジネスに参入します。


グーグルは、個人がゲームを自社のクラウド(データセンター)から、ストリーミング配信サービスを受けることで、ゲーム専用機やダウンロードも不要になるとしています。


ストリーミングは、コトバンクで、「インターネット上で動画や音声などのコンテンツをダウンロードしながら逐次再生すること。」と説明されています。
https://kotobank.jp/word/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0-4964


つまり、グーグルが仕掛ける自社クラウドによるゲーム配信サービスは、ソニーやマイクロソフトのゲームビジネスの、ゲームチェンジになります。


グーグルは、自動車およびゲームの両事業分野で、自社のインターネットプラット事業基盤を強化・拡大するために、ゲームチェンジを仕掛けています。


恐らく、アップルやアマゾンなどの他の大手IT企業も、グーグルの動きに追随すると見ています。


ゲームの端末機器は、専用機がメインではなくなり、現在普及しているスマートフォン、タブレット端末、インターネット接続されたテレビなどになります。


第5世代移動通信システム「5G」が2020年から実用化されます。一般的に5Gは、10Gbpsを超えるようなコンテンツを、ストレス無しに、「超高速」「大容量」「低遅延」「多接続」「高信頼」などを実現します。


このことは、ますますストリーミングサービスの利用拡大が増えることになります。


ソニーとマイクロソフトの事業連携(アライアンス)の内容は、今後順次発表されていきます。


現時点では、ソニーとマイクロソフトは、既存のゲーム専用機ゲーム事業に加えてクラウドゲーム事業を強化しつつあります。


ソニーが、今後、既存のプレステによるゲーム事業のビジネスモデルを、マイクロソフトとの事業連携(アライアンス)でどのように実現していくのか、グーグルやマイクロソフトの動きも含めて注目していきます。


オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)の実施は、参画企業がお互いの強みを発揮しあって、「Win/Win」の関係を維持強化することで成立します。


しかも、参画企業は、グーグルに対抗するためには、迅速に動く必要があります。


トヨタとソニーという日本を代表する大手IT企業が、グーグル対抗のためのオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を如何に巧みに行って、その成果・果実をもぎ取るか、今後も注目していきます。


これは、両社のオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)のやり方が、国内ベンチャー・中小企業の良き参考事例になることによります。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁






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