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日経記事;『人口1億2644万人、減少率最大に 昨年、総務省推計 「働き手」最低』に関する考察 [ベンチャー・中小企業支援]

                                               2019年4月14日

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


4月13日付の日経新聞に、『人口1億2644万人、減少率最大に 昨年、総務省推計 「働き手」最低』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。
記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『総務省が12日発表した2018年10月1日時点の人口推計によると、外国人を含む総人口は17年の同じ月に比べて26万3千人少ない1億2644万3千人だった。減少は8年連続。減少率は0.21%で、統計を取り始めた1950年以来、最大となった。。。』


総務省は、毎年日本の人口推計統計を発表しています。今回の発表は、総務省が4月12日に、『人口推計(2018年(平成30年)10月1日現在)』として行われました。
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2018np/index.html


上記Webサイトの情報から、私が最も注目していますのは、15歳から64歳までの生産(もしくは労働)年齢人口です。


今回の発表では、15歳~64歳までの生産年齢人口は7545万1千人で,前年に比べ51万2千人の減少となり,割合は1950年と同率の59.7%で,比較可能な1950年以降過去最低となっています。


日本では、この生産年齢人が1965年くらいから1995年くらいまで、総人口比70%を維持していました。その後、生産年齢人口比は、毎年急激に減少しています。


生産年齢人口は、自分で働いて稼ぎ、その稼いだ所得から商品やサービスなどを購入する人たちの人口を意味しています。


生産年齢人口は、言わばその国や地方の中間所得層をさしていますので、この人口の規模は、その国や地方の市場規模自体になります。


この生産年齢人口は、日本だけでなく、日本が加盟していますOECD(The Organisation for Economic Co-operation and Development)で、共通の定義の下で、以下のように表記されています。
・労働年齢人口(Working age population)


最新の生産年齢人口は、OECDの下記Webサイトをご覧ください。
https://data.oecd.org/pop/working-age-population.htm


私が、中小の製造事業者やIT企業の経営支援を、経営コンサルタントとして始めたのは、2007年です。


この時には、上記のように日本の生産年齢人口は、減少・縮小していく一方でした。


私が、経営コンサルタントの支援メニューの中から、輸出事業の支援を強化し始めたのは、2012年から2013年ころです。


この時期になると、日本の生産年齢人口減少の影響が、国内市場の縮小の形で認識されるようになりつつありました。


一部の実力をもつ中小企業が、国内のニッチ市場のみでは事業収益拡大を実現することが難しくなっていました。


当然の如く、これらの中小企業は、海外市場での販路開拓・集客を目指すことになります。


また、ベンチャーを含む中小企業が新規事業の立上を行う場合、市場縮小が起こっている日本のみでは、期待した成果を生み出せない状況が起こりつつありました。


上記のような状況下、私の支援先企業は、必然的に米欧アセアンなどの海外市場での、販路開拓・集客を行うようになりました。(私は、中国や韓国などの東アジア地域では、事業経験がないため、支援していません。)


特に、IT、医療機器、バイオなどの新規事業分野では、何かと規制などの多い日本よりも、実力があれば、企業規模の大小に関係なく、市場参入がしやすい米欧アセアンなどの地域を中心に、販路開拓・集客を行いました。


この海外市場の潜在力を見るときに活用したのが、上記生産年齢人口です。当該人口の規模、今後の拡大見込みなどから、対象市場の可否確認を行っています。


ところで、生産年齢人口の減少は、市場規模縮小のマイナス面もありますが、一方、労働力不足の課題解決を提供できる企業には、大きな新規事業機会が生まれています。


たとえば、本ブログ・コラムで何度か書いていますように、銀行などの金融機関が、事務処理の自動化を行って、合理化を行うことで人件費削減を一気に実現する動きが活発化しています。


その一つの事例が、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション/Robotic Process Automation)の導入です。


RPAは、ロボットによってホワイトカラーの単純な間接業務を自動化する技術です。


このような事務作業の合理化・自動化が進むと、単純な事務作業の仕事を行う従業員は不要になり、日本全体で労働力の再編が行われる可能性があります。


今後の日本は、生産年齢人口の減少が続きますので、労働者が、高い意志をもってより高い実務能力を身に付けることが条件となりますが、新しい仕事を獲得できることになります。


この合理化・自動化を実現するコア技術が、インターネットやITになります。実際、多くのIT企業が、安価に活用できる合理化・自動化のためのツールを提供しつつあります。


これらの動きは、国内企業にとって新規事業機会の獲得につながります。


国内のベンチャーや中小企業は、この生産年齢人口減少の市場環境から、事業収益拡大を実現するための施策を、どう導きだして実行していくのか、真価を問われています。


私は、自分の支援先企業に寄り添いながら、彼らの新規事業立上や海外販路開拓・集客に、より一層積極的に関っていく積りです。


よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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