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日経社説;『「攻めの省エネ」を競争力強化に生かせ』に関する考察 [ビジネス雑感]

                                                                                   2011年8月29日
皆様、
こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月29日付の日経新聞に『(エネルギーを考える)「 攻めの省エネ」を競争力強化に生かせ』のタイトルで社説が掲載されました。

本日はこの社説に関して考えを述べます。
社説の内容は以下の通りです。

『東日本大震災による電力危機で企業や家庭が「我慢の節電」を強いられている。電力需要が予想を下回る日が続き、これまで気づかずに無駄遣いしていた電気が多いことも浮き彫りになった。

20~30年先までのエネルギー戦略を練り直すとき、省エネが担う役割は大きい。エネルギーの使用を減らしながら生産性を高め、便利さや快適さも損なわない「攻めの省エネ」に踏み出したい。技術革新の成果を経済の成長につなげることを念頭に、省エネに強力に取り組むときだ。

家庭やオフィスで一層の省エネに取り組む余地は大きい。白熱電球を発光ダイオード(LED)電球に替える。窓を断熱ガラスにする。地中から熱を取り出して冷暖房に生かす。こうした努力を重ねれば電力消費は2~3割以上減る。

工場でも、廃熱を捨てずに有効活用したり、電気と熱を同時につくる燃料電池を導入したりすれば、もう一段の省エネができる。

これまでは家庭や企業で省エネ機器を導入しても、効果をあまり実感できなかった。電力をいつ、どこで、どれだけ使っているのかを把握しづらいからだ。新たな省エネの出発点として、電気の使用状況が一目で分かる「見える化」を進めたい。

カギを握るのが、IT(情報技術)を駆使して電力を管理するスマートグリッド(次世代送電網)だ。家庭やビル、工場で刻一刻と変わる需要をつかみ、電気を使いすぎの機器があれば自動的に運転を抑える。

その要となる次世代電力計は双方向の通信機能を備え、機器ごとの使用状況を利用者に知らせる。政府はこれを家庭に普及させる方針だ。計測の仕方や規格を統一して工場や事務所にも広め、社会全体で省エネに取り組むインフラにすべきだ。

夜に余った電気をため、昼に取り出して使う蓄電池も上手に活用したい。これまで電力会社は夏の午後の需要ピークに電気が不足しないよう発電所を増強してきたが、フル稼働するのは年に数十時間もない。蓄電池が普及すれば発電所を無駄に造らなくてすむ。

蓄電池はまだ価格が高く、購入する家庭や企業への補助も十分ではない。コストを下げて普及を促すため、今は太陽電池などに偏っている補助制度にメリハリをつけ、蓄電池を後押しすることを考えるべきだ。

スマートグリッドや蓄電池などは新市場を生み出す期待が大きい。省エネ技術を結集した環境配慮型の都市、「スマートシティ」がその代表だ。パナソニックが神奈川県藤沢市の工場跡地に太陽光パネルと蓄電池を備えた住宅1000戸を建てるほか、三井不動産も千葉県柏市で実験を始める。電機や住宅、不動産など多くの企業が参入を表明した。

環境都市はこれからインフラを整備する新興国向けに大きな需要が見込める。だが、欧米や韓国も技術開発に力を入れ、競争は激しい。輸出産業に育てるには、機器同士をつないで需給を管理する装置や技術の標準化が欠かせない。官民が結束して国際標準の獲得をめざすべきだ。

新しい省エネ技術を広めるには電力市場の自由化も不可欠だ。今は電力会社が電力計を独占的に管理し、他の企業がデータを入手して省エネに役立てることができない。

通信会社などにも電力計の設置を認め、電気を配る事業に参入できるようにし、地域での電力の最適配分をめざすべきだ。企業などが節電で生みだす電気を売買できるよう卸電力市場を拡充する必要もある。

菅政権を引き継ぐ新政権は、福島第1原子力発電所の事故を受けたエネルギー政策の立て直しを急がなければならない。まず、2030年ごろまでの電力需要の見通しを改めて示すべきだ。

政府が昨年決めたエネルギー基本計画はこの先、電力需要が横ばいで推移するとした。しかし技術革新や規制改革により、見通しを下方修正できる公算は大きい。そうなれば原発や自然エネルギーなどでどれだけ賄うか、供給面の戦略も変わる。

日本は戦後、2度の省エネ革命を起こし、世界をけん引した。1970年代の石油危機では企業が生産設備のエネルギー効率を飛躍的に改善させた。温暖化防止へ国際社会が動き出した90年代末には家電の省エネが急速に進んだ。政府が省エネ性能の最も高い製品を標準とする「トップランナー方式」を導入したことが、企業の技術力を底上げした。

震災に伴う電力危機はまだ解消の見通しが立たない。危機をバネに「第3の省エネ革命」を起こし、電力の安定確保と成長を両立させる戦略が欠かせない。』


この社説内容に全面的に賛成します。新政権は、省エネ技術・環境技術の早期開発・実現に向けて最大限の支援を企業に行い、省エネ・省電と新規事業立上を目指すべきです。

電力の最高効率の使い方を実現するためにITをフル活用して、スマートグリッドを各家庭、オフィス、工場に配置し、双方向で発電、給電、蓄電の最適解を常に自動的に検出・実現する方法を定着させます。

既に柏市などでスマートシティの実験も始まっています。この動きを加速化させて、国内中にスマートグリッドを装備させると、国内に大きな新規需要が生まれます。

スマートグリッド実施のノウハウも蓄積できると共に、蓄電技術の開発促進と低コスト化が実現できます。この蓄電技術は電気自動車にも応用され、国内自動車メーカーの競争力向上に寄与します。

省エネ・省電の早期実施は、省エネ効果に加えて、国内のIT、電機、自動車産業と非常に幅広い事業分野で立ち上げることが可能になります。

現在のデフレ状況は、新技術による大きな新規産業で国内需要を開拓すると共に、省エネ・省電技術により開発した商品やサービスを海外市場に輸出することで企業が活性化し、経済状況が好転することにより出口が見えてきます。

東芝、パナソニック、日立などの関連企業は、集中と選択を行いながら、スマートグリッド、蓄電池などの戦略事業に経営資源を集中し始めています。

欧米やアジア新興国企業との競争は熾烈を極めることになりますが、国内企業のお家芸である省エネ・省電技術の開発速度を上げて国内及び海外市場で、圧倒的な差異化を実現することを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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