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『主婦の店・さいち』に見る中小企業の生きかた [ベンチャー・中小企業支援]

                                                       2010年9月21日

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

最近、 『主婦の店・さいち』 が話題になっています。
8月23日に放映されました、「カンブリア宮殿(テレビ東京)で紹介されたり、食べログコムでも高い評価を得ています。

『主婦の店・さいち』の事業活動や方法を見ながら、中小企業が発展・維持出来る方法を考えます。

中小企業が廃業する最大の理由をご存知ですか?

毎年、中小企業庁が発表する「中小企業白書」を見ますと、廃業の最大理由は、競争激化による売上確保の難しさです。つまり、集客できないこと です。
集客さえできれば、事業の継続は可能です。

集客の観点から、 『主婦の店・さいち』 の事業活動を見てみます。

『主婦の店・さいち』は、仙台の先にある秋保温泉にあります。
広さは、80坪の過疎地のスーパーですが、1日平均5000個、土日祝日には1万個、お彼岸の中日には2万個のおはぎを売るとのことです。

どんなに原材料が上がっても値上げしない、当日中に食べないお客様には売らない、チラシを一切入れないという常識外れの商売スタイルを取っています。
それにもかかわらずお客様が殺到しているのはなぜでしょうか。

さいちの差異化は、おはぎと惣菜の味付けを「どの家庭の味よりも、さらにおいしいこと」としました。
普通ならば、他店の味よりもおいしいことを差異化のポイントにおきます。

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最大の競争相手を、 「家庭の味」 とおいたことがユニークなところです。
つまり、主婦より良い味付けのもを作って提供する事により、主婦の心をつかむ、戦略です。
ここに集客の極意があります。

◆さいちの3つの心として次の三つの事項をあげています。
1.どの家庭の味よりも、さらにおいしいこと
2.毎日食べても、飽きがこないこと
3.時間が経っても、そのおいしさが失われないこと

おはぎは、「甘さ控えめ」をモットーに作られています。店では、「ひとつ食べたらたくさんではなく、なんとしても2つ食べていただくようなものを」「お腹がすいているときには何個でも食べられるものを」と決めて、作っているそうです。
この「甘さ控えめ」が受けて上記のように大量のおはぎが毎日売れています。

お惣菜についても、お客の要望に合わせて、例えば、お新香を「ひと切れ10円」や、大根の漬物を「10切れずつ入れて100円のパック」などで売っています。
このようにして売れ上げを伸ばしました。

さいちのお惣菜の原価率は60%。普通のお店よりずっと高いのですが、ロスゼロを実現している、つまりその日のうちに売ってしまうので、40%が利益になるとのことです。

お客である主婦は、この店でしか買えないものを求めて、毎日のように買いに来ます。
ここに希少価値があります。他店にはない魅力です。

このスーパーは有名になり、マスコミなどで取り上げられたりして、イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊氏はじめ、全国600社超から視察研修依頼が殺到しておりますから、『主婦の店・さいち』はブランドになりました。

ブランド化すれば、集客はさらに伸びます。
ここまで来たのは、主婦の心を確実につかんだ、“地道だが、ユニークな方法”を取ってきたことです。

集客には色々な方法があります。
一つの方法として、独自性を持ってこの企業や店でないと出せない商材・サービスを提供し、顧客の心をつかんでいく事だと考えます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁


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