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中小企業の起業・創業支援策と専門家・相談員についての考察 [起業コンサルタント]

                                             2010年6月16日

皆様、

おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月15日付及び16日付の日経新聞に、各々以下の記事が掲載されました。

『神奈川県、創業支援策を強化 開発費を助成 研究室を割安貸与』。。。6月15日付
『中小の起業・転業支援 政府、ファンド参入促す』。。。6月16日付

『神奈川県、創業支援策を強化 開発費を助成 研究室を割安貸与』
神奈川県は企業の創業支援策を強化する。創業希望者を対象に製品開発費を助成し、県の出先機関が研究室を割安で貸し出す。大学でベンチャー企業経営者の講座を開くほか、福祉・環境など地域社会にかかわる創業者向けの補助金も新設する。県内に大学など研究機関が多い特長を生かし、低迷する起業の開業率向上を狙う。。。


『中小の起業・転業支援 政府、ファンド参入促す』
政府は中小企業の起業や転業を促すための金融支援を強化する。ファンドへの出資を通じて中小企業に投資する仕組みを緩和し、民間企業の資金をファンドに呼び込みやすくする。地域の金融機関と共同で低利融資や経営低利融資や経営支援に当る仕組みも新設する。成長分野への進出を促し、地域経済を活性化させる狙い。月内にまとめる新成長戦略に盛り込む。。。


何れの施策も、中小企業の廃業が進んで地域経済が停滞しているためのものです。これらの施策を通じて、起業や転業を促し、事業の維持拡大を進めることにあります。

政府が行う施策の中に以下のものが含まれています。

・一つは、経産省は利用されていない融資事業を大幅に減らす。4月の省独自の仕分け作業で決めた2事業を含め6事業程度を廃止など行う事により、独立予算の肥大化を防ぐ。

・二つ目は、中小企業どうしの集積・事業統合への支援を強化する。複数の工場が一つの施設に集まった「工場アパート」建設への融資制度を拡充する。


メリハリのついた施策になっていると思います。
施策の要領が開示された後、支援企業の状況に応じて使い勝手の良いものがあれば積極的に活用していきたいと考えています。


今まで、日本で創業・起業が低い原因として、幾つかの要因が議論されてきました。その要因の一つとして、補助金や融資制度の貧弱さや使い勝手の悪さなどがあげられました。

今回の施策は、お金の面の使い勝手向上を狙ったものと考えます。


起業・創業を支援するものとして、政府や自冶体に考えてもらいたい事があります。
それは、経営支援のあり方です。

公的支援策の一つとして、政府や自冶体管轄下の財団法人などが経営支援活動を行っています。
支援を行う専門家・相談員は、それぞれの財団法人の基準で選ばれているようです。
私も複数の機関の相談員をしています。

専門家・相談員の質の充実も必要だと考えます。
これは、私が把握している中での理解ですので、現状を正しくとらえているかは定かでない可能性があります。この点はご容赦願います。


幾つかの支援機関の専門家・相談員リストをWebサイトで見ますと、ここ数年来全く人が変わっていないところがあります。
たまたま、私が個人的に知っている専門家・相談員が複数の機関のWebサイトに掲載されていますが、何人かの人たちは明らかに勉強も経験もしていません。
また、資質的に不適切な方もいます。

例えば、中小企業の相談事に対し、大手企業の経験に基づいて、経営戦略や方針のみを指導して具体的なやり方をアドバイス出来ない人たちがいます。
中小企業の経営体制は、大手企業のそれと異なります。大手企業の場合は、一般的に人的資源を有していますので、戦略や方針を指導すれば、それを実行できる体制があります。

中小企業の場合は、余裕のある人的資源をもっていませんので、経営者や幹部が実行自体を直接行う必要があり、具体的なやり方の指導を求めているケースが多いのが実情です。

勉強しない専門家・相談員は、その違いが理解できませんし、具体的な指導ができません。


或いは、自己の営利目的を優先する専門家・相談員もいます。
実例で言いますと、技術力を持っている中小企業が相談した時、経営分析をきちんと行わずに、その企業は経営に行き詰っているので、廃業か売却を指導し、その事務作業に伴う手数料を稼ごうとした弁護士がいました。

たまたまその企業の経営者から相談を受け実情を知ったので、経営支援を引き継ぎ、事実の調査分析に基づいて集客を増やして経営再建する道を選びました。
結果として再建に成功しました。差異化できる技術を持っていたので、既存顧客の掘り起こしやインターネットを活用した新規顧客開拓などを行って集客出来たためです。


専門家・相談員の 『事業仕分け』 も必要だと考えています。

ベンチャー・中小企業の支援を考える支援機関は、専門家・相談員の棚卸を行い、当該企業の経営支援を行える人たちかどうか、見直しを行っては如何でしょうか?
勿論、毎年見直しを行っている機関がある事も知ってはいますが。。。


よろしくお願いいたします。
以上、

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁


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