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緩やかな事業連携・連合に関する考察 [何故アライアンスが必要なの?]

                             2010年5月2日 

こんにちは。グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

最近、日経新聞記事の中で、日産、ルノー、ダイムラー連合に関する記事が掲載されています。
例えば、2010年4月7付の記事です。
URL;http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C93819691E2E5E2E2E78DE2E5E2E6E0E2E3E29C9CEAE2E2E2;bm=96958A9C93819691E2E5E2E2E18DE2E5E2E6E0E2E3E29C9CEAE2E2E2

上記Webサイトの記事では、以下の内容が記載されている。

「今回の連合は、小型車部門「スマート」の不振にあえぐ独ダイムラーが昨春、ルノーに提携を申し入れたのが発端。業務提携では「スマート」とルノーの小型車「トゥインゴ」の次期モデルの共同開発が、大きな柱となっている。小型車を得意とするルノーのノウハウを、ダイムラーが取り込む形となる。

大型の高級車だけでは成長を望めないとの危機感がダイムラーの背中を押した。

両陣営が世界各地に持つ拠点で車両・エンジンの相互生産も進め、工場稼働率を高める。日産、ルノー両社は「今後5年間で20億ユーロ(2500億円)のコスト削減効果」(ゴーン社長)を見込む。」


今までの自動車メーカーのM&Aや連携・連合の案件と比べて、実利的な目的・成果がより明確化されており、三者のWin/Win/Win構築が意識されている印象を持ちます。

私の今までの経験では、トップ同士が合意して連携を決めた場合、その時点でトップが具体的な成果を意識しているかどうかがその後の動きに大きな影響を与えると思います。

良くありがちなのが、何となく「仲良くしたいから」、「仲良くしておいた方が良いから」などのあいまいな目的・理由で連携を始めるケースです。

また、一方的に果実を得たいという“不純”な理由で他社との連携を行うケースも上手く行かないケースになります。これは、相手方にとっては、ハッピーでないためです。

上記の「仲良くしたいから」、「仲良くしておいた方が良いから」などの目的・理由で始めた場合、通常、トップから連携・連合の目的・成果を考えろと言う指示が出される事もあるようです。

これは、本末転倒です。

他社との連携・連合は、お互いに、始める前に「Win/Win」が成り立つかどうか、慎重に検討することが必要です。何故なら、連携・連合を行うには自社の経営資源を使うからです。貴重な経営ノウハウや知的財産(特許など)を相手側に提供したり、自社の人的パワーも相当使う可能性があります。


このWin/Win関係が両者あるいは3者で確認できれば、トップのリーダーシップのもとに、プロジェクトリーダーを決めてプロジェクトチームを発足させて動き出します。この時に大事なことは、スケジュールを明確化して、所定の期日までに具体的な成果を出せるように動くことです。

具体的な成果が出れば、両者あるいは3者間の信頼感が高まり、より価値のある成果が期待できる連携・連合に進める可能性があります。

逆に、具体的な成果が見えなければ、さっさとそのような連携・連合は止めるべきです。
時間とコストの無駄になるからです。


また、トップが具体的な成果(期待効果)を見いだせていても、具体的な成果が出にくい場合は、社内でその期待効果が共有化されていない可能性があります。
この事を解決するには、トップ自ら自分の言葉で成果(期待効果)を社員に説明し共通認識を持ってもらうと共に、自分の考え・価値観を共有してくれるプロジェクトリーダーを選んで、プロジェクトチームを発足させる必要があります。

具体的なやり方については、「コスト削減を目的とした"他社との部品の共同設計"を例にした、事業連携先の選定実施」の事例でブログをシリーズ化して書いてますので、ご興味があればご参照ください。

URL;http://bzsupport.blog.so-net.ne.jp/archive/c351379-2
   http://bzsupport.blog.so-net.ne.jp/archive/c351379-1 


よろしくお願いいたします。
以上、

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁


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