5.ライセンス契約のポイント [各種契約行為のポイント]
2006年12月3日
今回は、ライセンス契約の中の (4)ロイヤルティー条項 について述べます。
ロイヤルティーとは、ライセンスの対価を表します。即ちライセンス料率の設定がロイヤルティ条項の骨格となります。
「ライセンス料」は、一般的に以下の二つで構成されます。
◆頭金;One-time Payment:ライセンス契約時に支払う金額
⇒ライセンス契約の交渉や準備した資料、秘密情報の開示やサンプルの開示などでライセンサー側には、ある程度の負担が生じています。
頭金は、これらの負担分をカバーするのを目的に支払いを求める、金額と理解すれば良いと考えています。
また、もしライセンシーの製品が全く売れなければ、製品売り上げからのライセンス収入は0円になりますので、最低要したコストの回収と言う観点からも、頭金の支払いを求める事を基本にしたほうが良いです。
◆ロイヤルティー;Running Royalty:「許諾製品」の売り上げをベースに支払う金額
⇒通常は、「許諾製品」の売り上げをベースに設定します。
「許諾製品」を「最終製品とするのか、あるいは当該部品とするか」で、売上金額そのものが大きく変わってきますので、この定義の仕方は重要です。
「ロイヤルティー」の計算の仕方では、「3%、5%とが、安いのか、高いのか、或いは妥当なのか」という利率に関する議論が交渉の過程で討議されます。
同時に、或いはもっと重要なのは、利率よりも、その算定ベースが、何に対するものなのかを優先して明確化する事です。
基本は、上記しましたように、「最終製品」の売り上げをベースにする事です。
最終製品をベースにするか、当該部品をベースにするかで、「ロイヤルティー」金額は大きく変わってきます。
他の方法としましては、製品の価格がほぼ一定になると推定できる場合は、「製品1個につきyy円」という設定の仕方があります。
また、ロイヤルティーの交渉に決着がつかない場合、選択肢の一つとして、業界での常識的な相場水準を適用する方法もあります。
勿論、ロイヤルティーの設定には、最終製品の売り上げ金額を予測し、ライセンス収入の全体額を計算して、今までに要した投資の回収が可能かどうかと言う、必要最低限の条件を明確化する基礎計算は必要です。
その計算結果をもとに、ライセンシーと交渉して、ロイヤルティーを決めることになります。
ライセンス契約は、短くて数年から10年、20年と続く契約になりますから、一方だけが得をして、他方が大損をする契約条件を提示してもお互いに、”Win/Win”の関係になりません。
ライセンサーはこの点も十分考慮して、ロイヤルティの設定を行う事が肝要です。
ほどほどの条件設定がお互いにハッピーなれます。
経験が語っています。はい。
次回は、(5)報告及び支払い条項 について述べます。
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