8.他社との共同設計の展開;(7)設計コストの分担 [アライアンス先の選定実施]
2006年9月24日
今回は、設計期間の短縮を目的にした部品の共同設計の連携先候補選定を例にとって、(D)設計コストの分担 について述べます。
一般的に、設計コストは、自社と相手先で各々の活動で要したコストはそれぞれで負担する事になります。
ここでのポイントは、共同設計プロジェクト進行中に生じる可能性のある、設計変更やスケジュール遅れなどのプロジェクト運営に影響を与えるケースが生じた場合に発生するコスト増への対応です。
設計変更やスケジュール遅れは、双方にとって設計コストの増加につながります。
相手側の要因で遅れた場合、自社側で増加するコスト負担を相手先にカバーしてもらうのかどうか、自社側の理由で変更したり、遅れる場合も含めて、共同設計を始める前に負担の仕方を決めておきます。
この負担の仕方も、以前に述べました"覚書"の中に盛り込んでおきます。
但し、このコスト負担は、直接お金に絡む事なので、"覚書"締結の時点でもめる事態もあります。
この場合は、"覚書"では大幅にプロジェクトに影響がある場合について、責任がある側が当該コストを負担するとの約束事を決めておきます。
同時に、そのような場面に遭遇した場合には、ケースバイケースで両者は誠意をもって対応を協議すると、決めておく方法があります。
プロジェクトがスタートして、お互いの信頼感が醸成出来ていると上記の様な事態が発生してもコスト増は折半しようとかの解決策が自然に出て来ます。これは、私の経験からも実証済みです。
従って、私の経験では、"覚書"では両者が誠意をもって対応を協議する、としておくケーが多いです。
海外のメーカーとの"覚書"では、厳格に決めておいた方が良いです。
話はちょっとずれますが、私の経験を踏まえて申し上げますと、他社との共同作業が上手く行くかどうかは、如何に相手先との会話を密に行って、お互いの信頼感を構築・醸成できるかにかかっています。
相手の力を借りるとの目的を最優先に出し過ぎると、相手との"Win-Win"スキームが構築出来ずに、信頼感も醸成できない事になりかねません。
このような連携作業の実行上のポイントは、別途、"事業連携に実行"の欄で述べて行きますね。
次回は、(E)当該部品の所有権/権利 について述べます。
今回の記事について、ご関心或いはご質問がある方は、私まで下記アドレスにeメールにてご連絡下さい。
私は、すぐにはご回答出来ない場合もありますが、24時間以内にはご連絡します。
よろしく御願いします。
以上、
コメント 0